Freescale Semiconductorは、民生用ウェアラブル製品のシステム設計の支援を目的に、高い拡張性を有するオープン・ソースのリファレンス・プラットフォーム「ウェアラブル・リファレンス・プラットフォーム(WaRP)」を発表した。これにより、機器メーカ各社は、同プラットフォームの下で幅広いウェアラブル・デバイスの設計・開発を迅速に行うことができるようになるという。

WaRPはモジュール式のプラットフォームで、KyneticsおよびRevolution Roboticsとの協業により開発されたもので、Kyneticsからはプラットフォームのソフトウェアに関する専門知識が、Revolution Roboticsからはソリューションのハードウェアが提供されている。

中核的な処理ユニットとしてARM Cortex-A9コアを搭載したi.MX 6SoloLiteアプリケーション・プロセッサをベースとし、Android OSをサポートしている。また、最適な部品点数を実現するためのハイブリッド・アーキテクチャとして、XtrinsicセンサによるMMA9553ターンキー歩数計やFXOS8700電子コンパス、ならびにARM Cortex-M0+コアをベースとするKinetis KL16マイコンも組み込まれていることから、市場の発展に応じて新しい分野に幅広く対応することが可能になり、ハードウェア面でもソフトウェア面でも設計の拡張やカスタマイズを行い、新製品の開発のみならず、ポートフォリオ全体の構築まで実現できるようになると同社では説明している。

さらに、オープン・ソースのソフトウェアも付属しているほか、コミュニティベースの非営利組織からサービスやサポートが提供されるという。同ソリューションのハードウェアならびにソフトウェアは、オープン・ソースとして提供され、コミュニティ主導で開発が進められることとなっており、ほかのオープン・ソースのリソースと併用する場合、クローズド環境の開発ツールやライセンス料は不要だという。

なお同プラットフォームキットにはメインボードのほか、ドータカード、LCDディスプレイ、バッテリ、マイクロUSBケーブルが含まれており、2014年第2四半期より、149ドル(参考価格)にてWaRPboard.orgより提供される予定だという。

「ウェアラブル・リファレンス・プラットフォーム(WaRP)」のメインボード