府中市美術館は、具象的なイメージによって現代日本の情景を描きだす画家の個展「O JUN-描く児」を開催している。開催期間は3月2日まで(1月13日を除く月曜、1月14日、2月12日は休館)。開館時間は10:00~17:00。入場料は一般700円、大学生・高校生350円、中学生・小学生150円、未就学児および障害者手帳などの保持者は無料。

「ハネルコ」2011年 個人蔵 紙、顔料、岩絵具、ガッシュ、鉄フレーム、ガラス 撮影: 宮島径 courtesy Mizuma Art Gallery

同展は、新作40点を含む150点もの作品によって、30年にわたるO JUNの歩みを総覧するもの。ある出来事の断片のような場面が描かれた作品群は、思い切りよくひかれた線と余白の対比が印象的で、重い鉄のフレームでふちどられている。

また、1月19日は大澤真幸(社会学博士)、2月15日は三潴末雄(ミヅマアートギャラリーディレクター)、3月2日は石田尚志(画家・映像作家)との対談(14:00~、同美術館の講座室にて)、1月25日には石田尚志とO JUNによる越冬ライブ(13:00~16:00、エントランスホール内特設会場)が開催される。いずれも予約不要、入場無料。

なお、O JUN(おう・じゅん)は1956年東京都生まれの画家。1982年、東京芸術大学大学院美術研究科油画専攻修士修了後、スペイン、ドイツに遊学。1980年代末は合金の筆を用いたパフォーマンス、1990年代は紙にアクリル絵の具、クレヨン等による絵画を、2000年代以降は油画も発表。彼が描く具象的なイメージには、自身が住み慣れた東京郊外をはじめとする現代日本の情景が、特異な視点で捉えられている。描き、見せるという実践の中で、「描くこと」の本質を問いつづける。