米Autodeskは、ワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館が所有する資料を3Dで閲覧できるWebブラウザツール「Smithsonian x3D Explorer」を開発し、公開したと発表した。現在は同ツールを利用してケナガマンモスやリンカーンの顔など21の所蔵物を閲覧できる。

ケナガマンモスの化石の大きさを測定している様子

同ツールは、同博物館の所蔵物を利用者が3D表示で閲覧し、同時に解説や研究データを参照できる"オンライン博物館"。専用のWebサイト上に公開されている3Dモデルを選択すれば起動し、マウス操作でさまざまな角度に調整したり、拡大して詳細を確認したりできる。

また、OBJフォーマットの3Dデータを無料配布するサービスも実施。ダウンロードデータを使って3Dプリンタで立体出力すれば、実際に手に取って観察することも可能(ダウンロードは個人または教育用途の利用に限る)。

左は仏像の3Dモデル。現物では見づらい線彫りを詳細に観察できる。右はリンカーンの顔の3Dモデル

今回のプロジェクトで同社は、複数の写真から3Dモデルを作成する「Autodesk ReCap」と3Dアニメーションを作成する「Autodesk Maya」の2つのソフトウェアを利用。両者を組み合わせて所蔵物をデジタル化し、x3D Explorerで表示できる3Dモデルを作成したという。

なお、スミソニアン デジタイゼーション プログラム オフィス責任者のGunter Waibel氏は、同ツールを利用することで「これまで博物館に実際に来ることができなかった人たちと所蔵物を共有できる」とコメントし、今後さまざまな人が同サービスを活用し「新たな研究が生まれることを期待したい」と続けている。