富士通研究所は、LAN、SAN(Storage Area Network)の統合ネットワークを対象として、ストレージトラフィックの経路を制御し、スループットの向上を実現するSDN技術を開発したと発表した。

今回開発した技術は、ストレージトラフィックの制御に必要な機能をネットワークスイッチに実装し、それをコントローラーから制御することで、SDNによるストレージトラフィックの経路を制御可能にし、ネットワーク資源を仮想網が有効に活用できるようにした。

具体的には、LAN・SAN統合ネットワークを実現するFCoE (Fibre Channel over Ethernet)のデータ中継に必要な機能を、外部からの制御に適するように、ストレージフロー検出とストレージフロー操作に分割して、同社で試作したコンバージドファブリックスイッチに実装。

スイッチに実装した機能

また、集中制御を実現する外部コントローラーへのソフト制御インタフェースを開発し、ストレージフロー検出・ストレージフロー操作を、外部コントローラーから制御可能にした。あわせて、 複数のスイッチでのストレージトラフィックの制御を可能とする外部コントローラーを開発した。

実装した機能を使用するネットワーク制御

同社ではこの技術を適用したLAN、SANの統合ネットワーク開発環境で約2倍の性能向上を確認したという。

今後、この技術を用いることで、垂直統合型の仮想化・クラウド基盤を構築する際に、LANとSANを統合するネットワークの負荷に応じて柔軟にシステムを拡張することができるようになるという。