シスコシステムズは11月27日、エンタープライズ向けにCisco Catalystスイッチおよびサービス統合型ルータの新製品を発表した。

新たに発表されたのは、キャンパスバックボーン用の「Cisco Catalyst 6807-XL モジュラスイッチ」、 10Gbpsをサポートする中小規模のキャンパス向けスイッチ「Cisco Catalyst 6880-X 半固定型スイッチ」、キャンパス オペレーションへの導入向けに簡素化された「Cisco Catalyst 6800ia インスタント アクセス スイッチ」、モジュラ型のアクセススイッチ「Cisco 4500E Supervisor Engine 8E」、サービス統合型ルータ「Cisco ISR 4451-AX ルータ」、アグリゲーションサービスルータ「Cisco Aggregation Services Router(ASR)1000-AX」。

「Cisco Catalyst 6807-XL モジュラスイッチ」

「Cisco Catalyst 6880-X 半固定型スイッチ」

「Cisco 4500E Supervisor Engine 8E」

「Cisco ISR 4451-AX ルータ」

「Cisco ISR 4451-AX」は2013年10月より提供を開始しており、「Catalyst 6800スイッチシリーズ」、「Cisco ASR 1000-AX」および「Cisco 4500E Supervisor Engine 8E」は2013年12月の提供開始を予定している。

「Cisco Catalyst 6807-XL」は次世代キャンパスバックボーンのため、10/40/100Gbps向けに最適化され、7スロット、10ラックユニットのモジュラ型シャーシで、スロットあたり最大880Gbpsに対応し、ポートあたり11.4TB(テラビット)のスイッチング容量を備えている。

「Cisco Catalyst 6880-X」は5スロット、5ラックユニットのスイッチで、10Gbpsの固定ポート16個のSupervisor Engineと10Gbpsまたは40 Gbpsのラインカードを選択できる4個のハーフスロットを搭載し、最大80個の10Gbpsポートをサポートする。

Cisco Catalyst 6800ia インスタント アクセス スイッチは複数の場所のアクセス スイッチを実質的に1台の拡張スイッチに統合し、Catalyst 6800シリーズや6500シリーズのスイッチが持つ豊富な機能をすべて統合する。

「Cisco Catalyst 6800」シリーズ

「Cisco 4500E Supervisor Engine 8E」は、モジュラ型のアクセススイッチで、共通機能や耐障害性、粒度の細かいQoSを無線ネットワークまで拡張することができる。また、今年1月に発表の「Cisco Catalyst 3850 スイッチ」に導入された有線/無線ネットワークを同時に処理できるUADP ASICが搭載される。

「Cisco サービス統合型ルータ(ISR) 4451-AX」は最大2ギガビットのフォワード性能を提供して、最大規模で最も要件の厳しいブランチオフィスに対応。ブランチオフィスにおいてもLANのようなサービス認識型のデータプレーンを導入してWANの最適化機能を統合することができる

「Cisco サービス統合型ルータ(ISR) 4451-AX」

「Cisco Aggregation Services Router (ASR) 1000-AX」は、仮想フォームファクタ、シングルテナントのソフトルータで構成され、マルチテナントのプロバイダホスト型クラウドへのWANゲートウェイ機能を提供する。

「Cisco Aggregation Services Router (ASR) 1000-AX」

これらスイッチ・ルータの製品群は、いずれも新しい「Cisco One Enterprise Network Architecture」の一環として位置づけられている。「Cisco One Enterprise Network Architecture」は、「Cisco Borderless Networks Architecture」を再定義したもの。

シスコシステムズ 専務執行役員 テクノロジーソリューション&アーキテクチャ統括 木下剛氏

シスコシステムズ 専務執行役員 テクノロジーソリューション&アーキテクチャ統括 木下剛氏はその理由を「スマートデバイス以外にクラウドやSDNという新しい潮流が出てきたためだ。SDNは最近ネットワークのオープン化に注力されているが、お客様はアプリケーションの開発や利用の促進を望んでいる。そこで、シスコはアプリケーションを中心としたSDNを推進している。これまでのネットワークでは、新しいビッグデータの時代には対応できない。Cisco One Enterprise Networkは、データセンターで動作させるアプリを必要なときに必要な場所で利用するためのアーキテクチャだ」と述べた。

Cisco Oneは、有線、無線を意識することなく1つのネットワークとして利用できる「ONE NETWORK」、1つポリシーっでネットワークを管理できる「ONE POLICY」、ネットワークを1つの形態で管理できる「ONE MANAGEMENT」の3つをコンセプトとしている。

Cisco One

「Cisco One Enterprise Network Architecture」は、ネットワークやスイッチやルータなどのネットワーク機器で構成される「ネットワークエレメントレイヤ」、ネットワークエレメントレイヤの機器をSouthbound APIでコントロールするための「コントロールレイヤ」、コントロールレイヤをコントロールするためのアプリケーションとサービスの「ネットワークアプリケーションレイヤ」で構成される。

「ネットワークエレメントレイヤ」では、エンタープライズネットワーク、サービスプロバイダ、データセンターの3つの用途に区分され、それぞれの用途に最適化されたOSが搭載される。

木下氏は、Cisco Oneは自動プロビジョンを実行するだけでなく、ネットワークエレメントの情報をアプリに使えることにより、インテリジェントな管理ができるのが大きな特徴だと述べた。

「Cisco One Enterprise Network Architecture」