もう1つ意外だったのがダニの数。チリダニ類と呼ばれる室内塵に最も見られる無気門類の種類が56匹と、その他判別不能な種類が24匹の計80匹が検出された。チリダニは、0.1~0.3mm程度と肉眼では見つけることが難しい大きさで、フケや皮膚の破片をエサとして好み、刺したり人体に直接危害を与えることはない種類だが、死骸や糞が喘息アレルギーの原因とされている。筆者宅のリビングはフローリングで、冬場もカーペットなどは敷いておらず、ダニが発生しにくい環境だと信じていた。そういえば、設置場所近くのカーテンやソファに潜んでいる可能性も考えられる……。

検査結果その3
チリダニ類 56匹
コナダニ類 0匹
ニクダニ類 0匹
ツメダニ類 0匹
ホコリダニ類 0類
イエササラダニ 0匹
カザリヒワダニ 0匹
その他 24匹
合計 80匹

【左】検出されたダニ死骸(チリダニ類) 【中】検出されたダニ死骸(中気門類) 【右】カビ胞子の培養結果。寒天培地で摂氏25度の状態で1週間培養

また、他のご家庭よりも圧倒的に多かったのがカビ数だった。筆者宅のフィルターから検出されたのは6万6,436個と、設置期間が短いにもかかわらず、けた違いに多く驚愕した。測定方法は平板培養法と呼ばれるもので、フィルターに滅菌水を浸して回収し、寒天培地で摂氏25度の状態で1週間培養して行われた。

検査結果に添付されていた写真を見ると、しっかりと生育したカビの塊が……。カビそのものは高温多湿な条件で生育するので、空気が乾燥している時期には分かりにくいものだが、実際に空気中には大量のカビの胞子が漂っていることが実証されたかたちだ。カビの胞子の大きさは2μmと極めて小さい。ブルーエアの「0.1μmの微粒子を99.97%除去」という謳い文句は確かなようである。

気になるほかの家庭の結果は……?

それでは最後に、他3軒の検査結果も参考までに見てみよう。

  • Aさん宅(東京・文京区)

リビングの隅に「ブルーエア270E」(12畳用)を設置したAさん宅。設置機種:ブルーエア270E、設置期間:2013年5月~9月(約5カ月間)

地下鉄駅のすぐ裏で、幹線道路にも比較的近い。3歳の幼児を含む3人家族。ご主人が皮膚に疾患があり、皮膚が落ちるため、毎夕掃除機をかけ、こまめに掃除をしている。ブルーエア以外の空気清浄機の使用経験はなし。

Aさん宅の検査結果
塵量(総量) 11.64g
塵量(土壌由来等) 1.68g
アレルゲン量(Cry j1) ND
アレルゲン量(Der f1) 4,585ng
アレルゲン量(Der p1) ND
ダニ数 121匹
花粉数 13,915個
カビ数 22,335個

【左】検出された花粉(ブナ科) 【右】検出されたダニ脱皮片(チリダニ類)

4家庭の中では塵量と花粉数が最多。分析結果では、花粉の中でもマツ類が8936個と群を抜いて多く、種類も比較的バラエティに富んでいた。ダニの種類はチリダニ85匹の他、他の家庭では見られなかった、人を刺すダニの代表格であるツメダニ類6匹が検出されている。

  • Bさん宅(東京・江戸川区)

リビングの隅の窓際に「ブルーエア270E」(12畳用)を設置したBさん宅。設置機種:ブルーエア270E、設置期間:2013年2月~9月(約8カ月間)

地下鉄駅の近くながら閑静な住宅街。大きな道路に面していながら、すぐそばに山もある環境。生まれたばかりの赤ちゃんと4歳児、夫婦の4人家族。3日おきに掃除機、雑巾がけ。以前は他社製のかなり古い加湿空気清浄機を使用していた。

Bさん宅の検査結果
塵量(総量) 2.17g
塵量(土壌由来等) 0.23g
アレルゲン量(Cry j1) 13,498ng
アレルゲン量(Der f1) 7,354ng
アレルゲン量(Der p1) ND
ダニ数 226匹
花粉数 7,048個
カビ数 2,642個

【左】検出されたダニ死骸(ツメダニ類) 【右】検出された花粉(スギ類)

ダニ数226匹が目を引く。また、他の家庭でマツ類が最多だったのに対して、Bさん宅では全体で7,048個という花粉数の中でもスギ類が1,140個と圧倒数を占めることが特筆すべき点。すぐそばに山があるとのことなのでおそらく山にスギが多く植生しているのだろう。また、それに連動してアレルゲン量(Cry j1)が13,498ngと、スギ花粉由来のアレルギー物質がかなり多く検出されている。設置期間が長いにもかかわらず、カビ数が他の家庭に比べて1桁少ない。

  • Cさん宅(東京・台東区)

子供用のプレイスペースに「ブルーエア450E」(21畳用)が設置されているCさん宅。設置機種:ブルーエア450E、設置期間:2013年4月~10月(約7カ月間)

下町の繁華街近く。少し歩くだけで大道路にあたる。3歳児と夫婦の3人家族。ロボット掃除機でほぼ毎日床掃除をし、週末に他の場所を掃除。2010年に新型インフルエンザが流行した際にイオン系空気清浄機を購入したものの、すぐにカビが生え、以降使用を停止。

Cさん宅の検査結果
塵量(総量) 1.20g
塵量(土壌由来等) 0.12g
アレルゲン量(Cry j1) ND
アレルゲン量(Der f1) ND
アレルゲン量(Der p1) 10,349ng
ダニ数 48匹
花粉数 2595個
カビ数 37,800個

【左】検出されたダニ死骸(コナダニ類) 【右】検出された羽毛。

設置期間の割に、相対的に検出されたものの量が少ないが、他の家庭では検出されなかったアレルゲン量(Der p1)が10349ngも含まれていた。この物質はチリダニ糞に由来するものだが、検出されたチリダニ類の死骸は32匹と他の家庭よりも少ない。ただし、他の家庭には見られないコナダニ類が16匹検出されている。コナダニは小麦粉やパン粉、砂糖などさまざまな食品に出演するダニと知られ、湿度が高いと畳に発生しやすい。

目に見えるかたちにして感じたブルーエアの性能

筆者宅を含め4軒の自宅に設置されたブルーエアのフィルターからは、いずれも驚くほどのふだん目に見えない物質が検出された。しかも、いずれの家庭でも小さな子どもがいるということで、掃除もこまめに行い、室内の空気環境には比較的気を遣っている家庭でさえこの結果だ。

目に見えない空気を浄化することを目的とした家庭用の電化製品である空気清浄機。筆者もその効果をなんとなくという感覚でしか実感できていなかったが、このように目に見えるかたちで結果を知って安心できた。これを読まれている方にも、効果が確実にある空気清浄機を購入してほしい。