Mozilla 2012年決算、売上高90%増だが、Google依存が拡大

米Mozilla Foundationは11月21日(米国時間)、2012年の決算報告書を公開した。売上高が前年比90％増だったが、Googleとの契約からの収入が売上全体に占める割合が前年より拡大した。

Mozilla Foundationと全ての傘下事業を含む連結売上高は3億1100万ドルで、前年の1億6300万ドルから90％増だった。Mozillaは複数の検索エンジンおよび情報プロバイダと契約し、Firefoxユーザーが閲覧したオンライン広告の売上などから、その一部をロイヤルティとして受け取っている。2012年のロイヤルティ収入は3億500万ドルで、売上全体の98%を占める。そのうちの90%がGoogleとの契約によるもの。2011年のGoogleの割合は85%だった。Mozillaは2011年11月にGoogleと3年間の契約を結んでおり、2014年11月に現在の契約の期限が切れる。

収入のGoogle依存に加えて、Mozillaの課題になっているのがモバイルだ。Android用のFirefoxは順調だが、iOS向けの製品は提供していない。Firefox OSを搭載したスマートフォンの販売地域が10市場(2013年11月中旬時点)に広がったものの、Firefox OSのビジネスモデルは不明なままだ。「現時点でFirefox OSについては、売上を生み出すよりも、優れたユーザー体験の提供と開発者サポートに専念する」としている。

2012年の経費は2億900万ドルで、前年の1億4600万ドルから43%の増加に抑えられた。経費の内訳はソフトウエア開発が1億4900万ドルで最も多く、ブランディング/マーケティングが3000万ドル、プログラムサービスが800万ドルとなっている。

2012年末時点の総資産は2億4000万ドル。前年の1億7000万ドルから41%増加した。