Facebookページはコミュニケーションが大事!分かっているけれど、なかなかファンからのコメントがもらえず、どう会話したらいいか分からない…とお悩みではないですか?ファンがコメントしやすくなる工夫や、会話を弾ませるために活用したい機能について、改めてまとめてみました

コメント対応の基本的な考え方

Facebookページでは、ファンからの投稿やコメントがあったら、 可能な限り素早く返信することが望ましいのですが、答えづらい質問や、クレームなどのネガティブな投稿やコメントのような、対応に困るものもあり得ます。また、大変嬉しいことながら、ファンからのコメントが多過ぎて全てに対応しきれない状況があるかもしれません。そうした場合、どのようなスタンスで対応をするのか、事前に検討しておきましょう。

●好意的なコメントに対して

コメントを返す
⇒コメント欄に半角で”@“を入力し、その”@“の後に返信したい相手を入力するとタグ付けができ、相手に知らせることができます。

コメントに対して「いいね!」をする
⇒「読みました」という意思表示になりますので、コメントを返す余裕がなくてもせめて「いいね!」はするようにしましょう。

●対応に迷うコメントに対して

一次回答をする
⇒「担当者に連絡します」「お調べします」など、すぐに対応できなくても真摯な姿勢をみせることが大切です。

何もしない(スルーする)
⇒敢えて対応しないという対応が必要な場合もあります。

●ネガティブなコメントに対して

コメントを返す
⇒軽微なクレームに対しては、早めに誠意を込めた謝罪をすることで大きな問題になるのを防ぐことができます。まずは相手がコメントをくれたことに感謝を表しましょう。こうした対応はタイムライン上で他のユーザーにも見られています。誠実な企業かどうかが試されていると考えましょう。

個別対応が必要な場合
⇒内容によっては、公共の場で応答してしまうと、ページに悪影響を及ぼし、ブランドの評判を落としかねない場合もあります。その際は「メッセージ」やユーザーサポート、お問い合わせフォームなど、個別に対応できる窓口に誘導するという対応も考えられます。ただし、より親密なサポートを提供することを目的とし、隠蔽しているように見られない配慮が必要です。

非表示にする
⇒悪意があるわけでもないが、表示しておくのは良くない場合は非表示にすることも出来ます。非表示にすると「そのコメントを書いた本人と友達」には表示されますが、それ以外のユーザーには表示されません。(非表示にしたことはコメント主には通知されません。)

削除する
⇒削除したコメントであっても、ページの管理人は元に戻すことが出来ます。

報告する
⇒スパムや荒らしは、Facebookに対して通報することが出来ます。

ブロックする
⇒明らかに炎上を目的とした嫌がらせ行為と分かる場合や、他のユーザーに被害が及ぶ場合、スパムや荒らしなどは、最終手段として「ブロック」することもできます。ただし、ブロックをしてもFacebookページの閲覧や投稿のシェア、コメントの閲覧・シェアは可能です。

対応時間はどうする?

投稿のタイミングの項でも紹介しましたが、Facebookユーザーがアクティブになる時間帯は、一般的な企業の就業時間外であることが多くなっています。そのため、投稿もコメント返しもその時間帯で対応するのが望ましいのですが、担当者の負担を考えると就業時間外の対応をどうするかは頭の痛い問題です。投稿に関しては、事前にスケジュールを立て予約投稿機能を活用する、就業時間外のコメントに関しては翌朝の対応になる旨をページに明記するなど、対応時間をユーザーに周知している企業が多いようです。

※書籍 『現場のプロがやさしく書いた Facebookマーケティングの教科書』より一部加筆修正

コメントに対する返信に使える機能

・「返信」による会話スレッド表示

「ページの編集」→「権限の管理」→「返信」を有効にすると、個別のコメントに返信が出来、スレッド(会話スレッド)として表示されるようになります。返信機能を使わないとコメントが時系列に並ぶので、コメント数が多くなると複数の会話が入り乱れて、分かりにくいことがありますが、返信機能を利用するとコメントごとに会話がまとめて表示されるため内容が把握しやすくなります。

会話スレッドは、「いいね!」やコメント数などが多さ(ポジティブフィードバック)、スパムの多さ(ネガティブフィードバック)、閲覧ユーザーと親しい人間のコメントがあるかどうか(コネクション)という3要素によって、閲覧しているユーザーごとに表示順序が最適化されます。その他のコメントは、「他のコメントを見る」というリンクにまとめられますので、非表示やブロックしたコメントが他のユーザーの目につきにくくなっています。

・@(タグ付け)による返信

コメント欄に半角スペース+@を入力すると返信する相手をタグ付けすることが出来ます。タグ付けして返信すると、コメントがついたことの「お知らせ」が届くので、コメントした方が自分へのコメントがあることに気付きやすくなり、Facebookページを再訪する可能性が高まります。

ファンがコメントしやすくする工夫

ユーザーが企業のFacebookページにコメントするのは、心理的にハードルがあるのではないでしょうか?商品情報や自社ニュースにはなかなかコメントが付きづらいので、時にはファンがコメントしやすい投稿を織り交ぜていくという運用が必要です。

Facebookキャンペーンアプリ「MONIPLA」のユーザー向けFacebookページでは、キャンペーンの紹介の合間にファンに楽しんでもらうための投稿を工夫しています。

11月11日の「ポッキーの日」にちなんだ「間違い探し」は、話題のトピックとビジュアル的に楽しめるクイズ要素を取り入れたことで、沢山のコメントが集まりました。この場合コメントはクイズの回答になるため、全てに返信する必要はないと考えられますが、返信機能を利用することによって「人気のコメント」以外がまとめられているため、ファンからの回答が見えてしまって興ざめすることがありません。

MONIPLAで開催中のキャンペーンを告知する際も、単にリンクを紹介するのではなく、 キャンペーンのテーマに関連した人気投票にしたことで自然に注目をあつめることに成功しています。「中の人」が返信で自分の好みを語っていたり、ファン同士が互いの好みについて会話したりと盛り上がる中で、自然にキャンペーン参加のモチベーションが上がっていったようです。

その他、しりとり、トリビア、4コマ漫画など、「つい一言言いたくなる」コンテンツを上手く投稿に活用することで、コメントのハードルを下げることが出来るでしょう。まずは「中の人と会話出来るページである」というイメージ作りがポイントです。

ハム係長に学ぶコメントの極意

Facebookページのコメント対応といえば、伊藤ハム Facebookページのハム係長が有名ですね。

人気のポイントはやはり「返信」。コミュニティ・ガイドラインには「お寄せいただいた投稿に対して、可能な限りご返信したいと考えておりますが、すべてにご返信することはいたしかねますので、あらかじめご了承ください。」と記載されていますが、実際はほぼ全てのコメントに“コピペ”ではない、人間味のある返信されています。

※伊藤ハム Facebookページ 『コミュニティ・ガイドライン』 https://www.facebook.com/itoham/app_190555130993653

「芸術の秋」にちなんで有名な名画をパロディ化したイラスト投稿では、ファンともユーモアのある会話が弾みますが、食品偽装のニュースに関したコメントには誠実に企業姿勢を伝える返信をしています。

また、地域限定商品に関する投稿では、商品を知っている人知らない人のコメントが読み物としても興味深く、購入できない地域のファンのコメントに入手方法をアドバイスしたり、ファンからウンチクが書き込まれたりと、「商品」をテーマにファンが会話をするという理想的なコミュニケーションが実現されています。

担当者の関澤氏は「相手を想像しながら書く」ことを返信のポイントとして、全てのコメントに目を通し、それぞれに合わせた返信をしていると言います。企業人としての意識を持ちつつも「一個人」として向き合うことが、ハム係長のコミュニケーションの心得だそうです。

伊藤ハムの調査によると、 Facebookユーザーの88%が「企業イメージが良くなった」と答えている他、 最近では店頭での想起率や購入率でも一定の効果が計測されているそうで、 Facebookページでのコミュニケーションが確実に実購買に繋がっているとのこと。

※参考記事
『JAL』 と『伊藤ハム』が実践するソーシャルメディアを通じた
お客様とのコミュニケーションとは?【モバイル&ソーシャルWEEK2012 レポート】

「ユーザーから”いじられる”ことこそ財産
-伊藤ハムに聞く、人気Facebookページの作り方」
http://smmlab.aainc.co.jp/?p=10761

ファンとの会話は、企業がFacebookページを活用する大きなメリットの1つ。あらためて「コメント」に注目した運用を考えてみてはいかがでしょうか?

イラスト

速瀬 みさき

1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!

公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ

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