みずほ銀行による暴力団関係者への融資問題を受け、全国銀行協会(以下、全銀協)は14日、反社会的勢力との関係遮断を徹底するための対策を決定したと発表した。全銀協が持つ反社データベース(公知情報)を、日本クレジット協会など8業界団体に提供する。

これは、14日に開催された理事会においてまとめられたもの。反社会的勢力の水際排除に向けた取組みとして、これまで全銀協が独自に収集して会員各行に還元してきた反社データベースを、適切な情報管理を行うことを条件に、金融関係の8業界団体に提供する。

提供先は、日本クレジット協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、全国労働金庫連合会、信託協会、日本貸金業協会、生命保険協会、損害保険協会。

全銀協の反社データベースを強化するため、他の業界団体の反社データベースを全銀協が受領し、会員各行に展開することも検討していく。また、銀行界と警察庁データベースとの接続についても、警察庁、金融庁および銀行界の実務者間で、継続的に検討していくという。

みずほ銀行で暴力団関係者への融資問題が起きた「提携ローン(四者型)」については、会員各行が、提携先の信販会社における反社会的勢力との関係遮断に向けた取り組み状況を検証し、必要な対応を実施していく。

提携ローン(四者型)のスキーム(出典:全国銀行協会Webサイト)

会員各行においては、「提携ローン(四者型)」を含め、貸付取引における顧客との金銭消費貸借契約への暴力団排除条項の導入を改めて徹底する。「提携ローン(四者型)」を取り扱う際は、提携先の信販会社から、ローン申込者の反社チェックに必要なデータ(氏名・生年月日等)を事前に入手し、銀行の反社データベースを用いて反社チェックを行う態勢を整備していく。

反社会的勢力との取引が判明した場合は、暴力団排除条項にもとづき、「速やかに関係遮断を図ること、および、直ちに適切に経営陣へ報告すること」を改めて徹底する。さらに、反社会的勢力との事後的な関係遮断のための手段のひとつとして、預金保険機構による特定回収困難債権の買取制度の利用を積極的に検討するよう会員各行に周知する。

なお、全銀協は今回の対応に伴い、銀行界の行動規範を示した全銀協「行動憲章」において、銀行界における反社会的勢力との関係遮断への取組みを推進するため、他社(信販会社等)との提携等により金融サービス(融資等)を提供する場合にも、関係遮断の取組みを行うことを明記したとしている。