日本マイクロソフトは10月31日、東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)と共同で、同社のタブレット端末「Surface Pro」やデジタル教材を活用した新しい英語学習支援の実証研究を開始したことを発表した。実証実験の期間は、2013年9月から2015年3月まで。

東大先端研が率いる研究チームの調査によると、中学校において、英語に関する読み書き障害を持つ生徒が一定の割合で存在することが明らかになっており、今回の実証研究はこれらの生徒を対象としたものになっている。

これまで研究チームは、タブレットPCの文章読み上げ機能や文字拡大機能などが、小学校の国語学習などにおいて読み書きに困難のある児童の学習支援に有効であることを実証しており、今回の実証実験ではこれを中学校の英語学習に応用する。

実証研究は石川県金沢市の泉中学校で実施され、通常学級の生徒のうち、希望者に対して1人につき1台、Surface Proを提供する。授業では学習者用デジタル教科書を使用するほか、家庭での学習にもSurface Proを活用するという。

実証研究では、書字に困難を抱える生徒に対して、デジタルノート「Microsoft OneNote」の文字認識機能や、Surface Proのペン入力機能、「Microsoft Word」のスペルチェック機能、「Microsoft IME」のカタカナ英語辞書機能などを活用して文字入力の補助を行う。

また、文字を読むことに困難を抱える生徒に対しては、「Microsoft Word」の読み上げ機能や専用読み上げソフトなどを活用したデジタル教材の読み上げなどによって学習を補助する。

今回の実証研究において、日本マイクロソフトは、Surface ProとMicrosoft Officeをはじめとした各種ソフトウェアの提供と、導入・活用にあたっての技術的支援を行う。また東大先端研は、研究を計画・実施し、学習プログラムを提供する。なお、実証研究で得られた成果は研究終了後に公表される予定になっている。