富士通と村田製作所は10月22日、プリント基板のノイズ解析システム「FUJITSU Manufacturing Industry Solution FTCP SignalAdviser-SI(SignalAdviser)」における、コンポーネントライブラリの提供で連携していくと発表した。

デジタル家電や自動車用の電子機器・製品を製造するメーカーは、短納期で高品質な製品の開発を実現させるために、設計の初期段階でプリント基板における主要な電子部品の電気ノイズを解析で確認し、その信頼性を検討する必要がある。電気ノイズの解析をする上で、部品の電気的特性が設定されたコンポーネントライブラリをあらかじめ、解析用システムに取り込む必要があるが、受動部品ではフォーマットが定まっていないため、コンポーネントライブラリの登録に多くの時間がかかっていた。そこで今回、富士通と村田製作所は、「SignalAdviser」におけるコンポーネントライブラリの提供で連携し、村田製作所が「SignalAdviser」に簡単に取り込めるコンポーネントライブラリを提供することで、ユーザーの利便性を向上させた。

これにより、村田製作所の部品を利用するユーザーは、積層セラミックコンデンサ、チップインダクタ、EMI除去フィルタなどの高周波回路設計に必要なコンポーネントに対して、「SignalAdviser」に取り込める形式の「Sパラメータや等価回路モデルの高精度なコンポーネントライブラリ」と「部品ピン⇔ポート対応情報」の利用が可能となる。これにより、システムへの設定作業が自動化され、ノイズ解析の準備にかかる時間が、1機種あたり半日程度から1時間程度に短縮できる。

なお、三菱電機エンジニアリングが同提携においての最初のユーザーであり、プリント基板設計のノイズ解析でこのコンポーネントライブラリを活用していく予定。

今回の連携前と連携後のフロー