大日本住友製薬は10月9日、米国に抗がん剤販売を目的とする新会社「Boston Biomedical Pharma(BBP)」を設立すると発表した。

新会社設立の背景について同社は、すでにある米国子会社「Boston Biomedical(BBI)」が創製した抗がん剤「BBI608」の開発が成功したしたときの米国内での販売体制・組織を整備するためとする。

BBI608は、ファースト・イン・クラスの経口の抗がん剤であり、Stat3経路、Nanog経路、β-カテニン経路を抑制する効果がある。また、がん幹細胞(幹細胞様性質を有するがん細胞)に対して細胞死を誘導する新しいメカニズムの低分子化合物であり、がん幹細胞とがん細胞の両方に作用し、がん治療の治療抵抗性、再発、転移への効果が期待できるという。

BBI608は、米国で2016年3月期の販売開始を目標として開発を進め、現在は第III相国際共同臨床試験を実施している。

なお、同社は第三期中期経営計画において、2018年3月期のBBI608の米国での売上高を6億5000万ドル程度と見込んでいる。