Cadence Design Systemsは10月9日(米国時間)、新たなFastSPICEシミュレータ「Spectre XPS(eXtensive Partitioning Simulator)」を開発したことを発表した。

Spectre XPSは、大規模で複雑なチップ設計向けに、従来SPICEシミュレータ以上に高速かつ包括的なシミュレーションを可能にすることを目標に開発されたもので、パーティショニング・テクノロジーを用いることで、競合製品に比べ、1/2~1/3のメモリ使用量ながら最大で10倍の高速スループットを実現することが可能になるという。

また、電圧降下(IR drop)の影響を考慮しながら独自に高精度でタイミングを測ることが可能なため、ポストレイアウト検証向けに高性能、高精度および大容量などの性能が不可欠な先端プロセスで低消費電力モバイル設計なども可能となっている。

さらに、同社のSpectreシミュレーションプラットフォーム上に構築されているため、モデル、スティミュラス、解析およびメソドロジ全体の再利用を容易に行うことが可能。これにより、量産までの期間を短縮しつつ、サポートコストの低減を図ることが可能になるという。