このあと質疑応答および囲み取材の時間がもうけられ、孫社長が記者団の質問に回答した。「NTTドコモがiPhoneの取り扱いを開始したことで、顧客流出の危機感を覚えてはいないか」との質問には「それは何年も前からシミュレーションしていた。これが4~5年前だったら、ソフトバンクは壊滅的なダメージを受けただろう。3年前でも大変だった。しかし、つながりやすさ・速度において現在は我々が1番になっている。ネットワークが不満でユーザーがドコモさんに流れていくリスクはなくなった。今回、それが確認できた」と語った。

「同じiPhoneを扱うことにより、端末では差が出なくなった。すると値引き合戦などのサービス勝負になる。体力勝負でNTTドコモに勝てるのか」という問いに、孫社長は「今年、利益でドコモさんを抜きます。体力でドコモさんより劣るということはない」と回答。iPhoneを長年取り扱っているという自信があり、NTTドコモ参入に関しては全く心配していなかったという。「我々はスマホの時代を予見し、他社に先んじてiPhoneを発売させてもらえた。そのため、他社より先にノウハウが身についた。スマホに適したネットワークを体験し、それを設備に活かしてきた。だからソフトバンクではネットワークの事故を起こしていない」「数年前、競合他社はスマホの重要性を認識しておらず、日本にはガラパゴスケータイがあるんだと居直っていた。その居直りは間違いだったということが完璧に証明されている」と話した。

Windows Phone、Tizen、Firefox OSなど他のプラットフォームについて導入する予定はあるか、との問いには「あまり興味なし。それらが主流になるとは思えないから。ただ、他社さんの取り組みを批判するつもりはないです」とした。

囲み取材に応じる孫社長

最近、Twitterの更新が滞っている件については「ひとことつぶやくことで、ボクの次の手を想像されてしまうんじゃないかと思って。まだ皆さんに言えないような驚く手を、いくつも考えている。いま種を仕込んでいる最中です」と孫社長。誰と会った、どこにいるか、などとつぶやくことで手を読まれてしまうと思うと迂闊ににつぶやけなくなり、それが何日も続いてしまったという。「今後はまた時々、つぶやきたいと思います」とし、会場を後にした。