なぜiPhoneを使っているのかと聞かれて……そういえば聞かれるまで考えたこともなかったと気付きました。なぜなんだろう。特別Apple好きというわけでも、特別新し物好きというわけでもなく(まあ多少はあるけど)、もっと能動的でない感じで結局こうなった、みたいな。こういうの、何て言うんでしたっけ。

初代iPod shuffle

Mac以外で最初に使ったApple製品は、iPod shuffle(初代)でした。当時話題になっていたので興味はありましたが、もともと外で音楽を聞く習慣がなかったので、買って試すほどでは……と思っていたところ、思いがけず忘年会のビンゴで我が手中へ。ありがとう、MacFan編集部さん(景品提供)。

ということでiPodデビューは初代shuffle 512MBでした。512MBですよ!? 手持ちのCDは多くはありませんでしたが、さすがに入れたいもの全ては入りません。そこで、容量に合わせて適当に曲を選んで詰め込んでくれる"シャッフル機能"を使い、何が出るかお楽しみで聞くことにしました。最初はプレイリストを作って入れ込んだりもしていたのですが、結局はAppleの意図どおりの使い方に落ち着いたわけです。そのうち、iPod shuffleの便利さとその限界、そしてshuffleにできないアレコレがiPodではできるのだと理解した時、気が付きました。これはいいものだ、と。

しかし、だからと言ってiPodを買うまでには至らず、折しも会社勤めを辞めたことで電車に乗る機会が減り、shuffleを使う機会も少なくなっていきました。

時はガラケー全盛期。半年ごとに何十もの新機種が登場し、デザインや機能や画質が実質ゼロ円で進化の枝葉をうねうねと延ばすのを尻目に、枝葉でないところではモバイル通信やクラウドサービスがじわじわと成長の兆しを見せていました。

退職後、ライターの仕事を始めてからは出先でメールの送受信が必須になりました。Windowsモバイル搭載端末(W-ZERO3)を試したこともありましたが、何となく使いづらくて長続きせず、結局、ノートPCにUSBメモリタイプのモバイル通信端末を接続して通信する形に決着(直後にモバイルWi-Fi端末が発売され悔しい思いを……)。ちょうどGmailで携帯向けのページが提供されはじめたので、ただのメールチェックなら携帯で、添付があればPCで、という環境が整いました。

そんな時、たまたま手元にやってきたのがiPod touch(初代)でした。こちらはビンゴの景品ではなく、当時付き合っていた人の所有物。米国で初代iPhoneが登場した時、日本では発売されず、やって来たのは通話機能のないiPod touchでしたが、彼はそれを発売と同時に入手。そしてiPhone 3Gが日本上陸を果たすと速攻で買い替えたそうです。おかげで隠居の身になっていたtouchが"お下がり"で貸与されたというわけです。お察しのとおりこの人物がApple信者でして(3年ぶり2人目)、事あるごとにApple製品推し推ししでして。スティーブ・ジョブズがスタバに電話をかけた、あのiPhoneお披露目のプレゼンを通訳付きで見せてくれたりもしました(現在もPodcastで視聴できます)。

その時は「ふうん」程度に聞いていた私ですが、ある日、ドライブに出かけた先で「地図でコーヒーって検索して」と言われ、やってみると現在地周辺のマップ上にファーストフードやカフェチェーンが表示されるじゃないですか! これには素直にすげえって思いました。