松谷化学工業は9月30日、自然界に存在量の少ない「希少糖」の一種で、ノンカロリーで甘味度が砂糖の7割程度の「D-プシコース」と、このD-プシコースを含むシロップ状の甘味料「希少糖含有シロップ」が健常ラットを用いた研究において糖尿病の予防・治療に対して有用であることを確認したと発表した。

同成果は、同社、名城大学薬学部の豊田行康 准教授ならびに、香川大学医学部の徳田雅明 教授らによるもの。詳細は2013年10月12日に開催される「第34回 日本肥満学会」にて報告される予定。

今回の研究は、Wistar系雄性ラット(5週齢)へ、D-プシコースおよび希少糖含有シロップを8-10週間自由飲水下で投与し、投与後に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)およびインスリン負荷試験(ITT)を施行。対照群(コントロール群)には水を投与して抗糖尿病作用に関する調査を行った。

その結果、糖負荷試験においてD-プシコース群および希少糖含有シロップ群の尾静脈血糖値は対照群のそれより有意に低値で推移することが確認された。また、インスリン感受性は、D-プシコース群および希少糖含有シロップ群の方が、対照群より有意に高いことが確認されたという。さらに、糖負荷前と糖負荷後30分のD-プシコース群および希少糖含有シロップ群の細胞質の肝グルコキナーゼ量は、対照群より有意に高いことも確認されたという。

これらの結果について研究グループは、D-プシコースおよび希少糖含有シロップの長期摂取により、細胞質の肝グルコキナーゼ量が増加して肝糖利用が高まり、血糖上昇の抑制が起こったもとと推察されると説明している。また、D-プシコースおよび希少糖含有シロップの長期摂取により、体重上昇の抑制と内蔵脂肪量の低下も認められたことから、これらの効果によって耐糖能およびインスリン感受性の増強が起こったものと推察され、これらのことから、D-プシコースおよび希少糖含有シロップの摂取が、糖尿病の予防・治療に有用であると考えられる結論を得たと説明している。