国内のみならず、世界に向けて製品やサービスを提供している日本企業。外国から来た人たちから、日本企業の生み出すモノゴトの"デザイン性"はどう捉えられているのでしょうか。今回は、日本在住の外国人20名に「デザイン性が高いと思う日本企業」はどの企業か、聞いてみました。

Q:デザイン性が高いと思う日本企業を教えて下さい。

■ソニー。(ギリシャ/30代前半/男性)

最も多くの票を集めたのは、音楽の聴き方に革命を起こした「ウォークマン」をはじめ、数々のデジタル製品を世に送り出しているソニーでした。数多くの機種がリリースされているスマートフォン市場で大きなシェアを誇る「Xperia」や、スタイリッシュなノートPC「VAIO」、ハイスペックかつシャープな筐体をもつゲーム機「プレイステーション」シリーズなど、洗練されたデザインの製品を数多く生み出している企業ですね。

■トヨタの車はどれもデザイン性に優れていると思います。(ブラジル/30代後半/男性)

その次に票を集めたのは、世界各国に車を輸出しているトヨタ自動車。ハイブリッドカーの代名詞ともなっている「プリウス」や大衆乗用車の代表格である「カローラ」、国外で展開された後に日本へ逆輸入された高級車「レクサス」、ピンクのカラーリングが大反響を呼び、特別仕様車として販売されることになった伝統のブランド「クラウン」など、例を挙げれば枚挙にいとまがない程、作り込まれたデザインの自動車を世に送り出しています。

■東芝。(ロシア/20代後半/女性)

3番目に多く名前が挙がったのは、製造メーカーの東芝。冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などといった白物家電から「REGZA」ブランドで展開する液晶テレビやBlu-rayレコーダー、「dynabook」ブランドのPCなど、購入を検討する時に一度は視野に入れる製品ばかりを手がけています。

■無印良品。シンプルなところが日本らしい。(マリ/30代前半/男性)

シンプルなモノがそろう雑貨店として知られる「無印良品」は、昭和時代を代表するグラフィックデザイナー・田中一光らが、西友のプライベートブランドとして発案したのがはじまり。著名デザイナーが数多く製品デザインに携わっていて、深澤直人が手がけた「壁掛式CDプレイヤー」はよく知られています。そのほかにも、原研哉、ジャスパー・モリソンや山本耀司・植原邦雄など、数々のデザイナーに育まれて育ってきたブランドが、"日本らしいシンプルさ"を提供する企業として挙げられたのは喜ばしいことです。

■TOTOです。(中国/20代後半/女性)

日本と外国で全然デザインが違うモノ」、「日本らしさがデザインに表れているモノ」についてのアンケートでも挙げられた「ウォシュレット」を販売するTOTOの名前も出ました。トイレという避けては通れない場所での快適さを提供する企業だからこそ、そのデザインが強く印象に残るのかもしれません。

■資生堂。(インドネシア/40代前半/女性)

日本国内ではシェア第1位の化粧品メーカー・資生堂は、「マキアージュ」、「マジョリカ マジョルカ」などの女性用化粧品のみならず、男性用整髪料などのブランド「ウーノ」、制汗剤「エージープラス」など、多様なブランドを展開しながらも、どこか上品なトーンで統一されたデザインが特徴的ですよね。

■スタジオジブリ。(アメリカ/30代後半/男性)

日本を代表するアニメ制作会社「スタジオジブリ」のデザイン性を評価する声もありました。宮崎駿監督が、最新作『風立ちぬ』を最後に長編映画制作からの引退を発表したことは記憶に新しいですが、映画の中で描かれるディテールの細かなメカや背景など、デザインの観点で見てみると、また違った発見がありそうです。

■サントリー。ビール等の缶のデザインがいい。(ドイツ/30代後半/男性)

最後に紹介するのは、「プレミアムモルツ」、「金麦」などの酒類や「BOSS」、「伊右衛門」などの清涼飲料水を取り扱うサントリー。ビールが広く飲まれているドイツの方から、「ビールなどの缶のデザインがいい」というコメントがもらえたのは嬉しいものです。

全体を通じて、日ごろ目に触れやすい自動車や家電、雑貨、食品などを取り扱う大手企業が選ばれる結果となりました。世界でも受け入れられる"日本のデザイン"を発信する企業には、今後も確かなデザインの製品を世に送り出してほしいものですね。