ヤフーは、次世代インターネットサービスに関する新コンセプトモデル「さわれる検索」、そしてこの新コンセプトを実際に具現化した「さわれる検索」プロジェクトを発表した。

「さわれる検索」とは、従来のインターネット利用のスタイルであった文字・音声入力によって情報を「見る」、あるいは「聞く」ことから、情報を「さわる」ことに発展させたコンセプトモデル。3Dデータベースと3Dプリンタを融合させることにより、音声入力によって認識されたキーワードを3Dプリンタからの出力し、実際の「立体物」を生成する仕組みになっている。

また、Yahoo! JAPANでは、「さわれる検索」プロジェクトとして、筑波大学付属視覚特別支援学校で、3Dプリンタを内蔵した機体「さわれる検索マシン」を導入した。視覚障害をもつ子どもたちがこのマシンでさわりたい物を3Dプリンタで出力できる機能が備わっており、もし希望した物の3Dデータがデータベース上になかった場合、プロジェクトサイト上にて企業や一般の方々から該当の3Dデータを募集する。9月4日にはテスト導入として、同学の生徒たちへ向け「さわれる検索」特別授業を実施し、9月13日まで学校内に試験的に設置した。

筑波大学付属視覚特別支援学校の低学年グループが「さわれる検索マシン」を使用した際の様子

これ以降、9月20日~10月18日までの約1カ月間を本格導入と位置づけて、同学の生徒が自由に体験できるよう設置する。この期間の後は、有効に利用されると思われる機関を選定し、同マシンを寄贈する予定。加えて、9月18日~19日に行われるデジタルマーケティングカンファレンス「アドテック東京」会場での一般公開も行うということだ。

なお、同プロジェクトのWebサイトでは、企業や一般から3Dデータを募集することによってより多くの3Dデータを収集し、「さわれる検索」プロジェクト用のデータとして蓄積していく。さらに、3Dプリンタを所有する一般の人々に対しても、「さわれる検索」の一部データを期間限定で提供する予定となっている。