Symantec Backup Exec 3600

シマンテックは9月4日、重複排除機能のV-Rayテクノロジーを採用した中堅中小企業向けバックアップ アプライアンス製品「Symantec Backup Exec 3600」を10月1日より発売すると発表した。販売はパートナー企業を経由した間接販売で行われる。

Backup Exec 3600は「Essential Protection Suite」と「Total Protection Suite」の2製品が提供され、Total Protection Suiteが上位製品となる。機能の違いはソフトウェアの「Enterprise Server Option」「Remote Media Agent for Linux」「NDMP Option」の有無だが、いずれも有償オプションとしてEssential Protection Suiteに付けることができる。

アプライアンスのハードウェア保証は1年か3年から選択でき、2製品と保証期間の組み合わせによって価格帯が4つに分けられる。最小構成のEssential Protection Suiteとハードウェア保証1年の組み合わせで、価格は198万3200円(税別)となる。ただし、これは他のバックアップ アプライアンスからの乗り換え価格となり、新規購入時の価格とは異なるという。

シマンテックがアプライアンスを投入する目的

シマンテック 代表取締役 河村 浩明社長

シマンテックは都内で会見を開き、シマンテック 代表取締役 河村 浩明社長が初めにアプライアンス投入の目的を語った。

同社はソフトウェアのセキュリティベンダーとして実績を積み重ねており、ハードウェアであるアプライアンスの投入は珍しい。河村社長は「(デバイス&サービス企業の目標を掲げる)マイクロソフトの真似をしたわけではないが(笑)、弊社もシマンテック4.0として社内改革を行う中でこのような製品を投入することになった」と語る。

「データバックアップは、バックアップ漏れがあっても平時には気付かず、何かが起きてリストアが必要になった時に初めて露見することが多い。かといって容量を取ってバックアップしようとするとサイジングが面倒だし、増量のタイミングも分かりづらい。そんなユーザーのためにアプライアンスを投入した」(河村氏)

シマンテック プロダクトマーケティングの長島 理恵マネージャー

続いて、同社 プロダクトマーケティングの長島 理恵マネージャーが製品説明を行った。Symantec Backup Exec 3600は、シマンテックのバックアップソフトウェア最新版であるSymantec Backup Exec 2012(BE)が搭載されており、同ソフトの強みである仮想化環境の可視化といった特徴も引き継いでいる。

その仮想化環境のバックアップには3つの大きな課題があるといい

  1. 仮想マシンの数に比例して増大する運用負荷
  2. 仮想マシンやデータの増加に伴うバックアップ時間の肥大化
  3. 複雑な導入前準備作業

を長島氏は挙げた。

1点目の運用負荷増大については、BEの「ダイナミック インクルージョン機能」によって解決できるという。同機能は、追加された仮想マシンを自動的にバックアップ対象に追加することで、たとえばファイルサーバーを後から追加してもチェックボックスでチェックを入れるだけで追加処理が完了するという。

2点目のバックアップ時間の肥大化についても、BEの機能が大きな役割を果たす。シマンテックが特許を取得した「V-Rayテクノロジー」と呼ばれるこの機能は、サーバー仮想化環境に最適化された重複排除技術が利用されており、最大92%の重複排除が可能になるという。

シマンテックによると、競合他社の製品は、仮想ハードディスク先のファイルを確認することができないため、効率的ではない重複排除になるという。一方、V-Rayテクノロジーは仮想ハードディスク先にあるファイルまで確認できており、バックアップ処理のためのデータブロック分けが効率的に行えるとしている。

一方、3点目の複雑な導入前準備作業は、バックアップソフトとハードウェアの動作検証を必要としないオールインワンバックアップストレージアプライアンスをうたっており、それらの準備作業が不要になるとシマンテックでは説明していた。