独SAPは9月3日、主力業務ソフトウェアである「SAP Business Suite」の顧客が容易にデータベースを「SAP HANA」にマイグレーションできるソリューションの提供を開始したと発表した。インメモリデータベース「SAP HANA」の導入を加速する狙い。

SAP Business Suiteの顧客はOracleなどの既存リレーショナルデータベースを利用することが多いが、最新のソリューションはSAPがここ数年取り組んでいるSAP HANAへの移行を加速するものとなる。SAP HANAは分析系OLAPの機能を備えるインメモリ技術として登場したが、その後業務系のOLTPにも対応した。SAP幹部は既存のリレーショナルデータベースを置き換えるものと位置づけている。

ソリューションは短期で導入できる「SAP Rapid Deployment」の下で提供、これを利用してBusiness SuiteユーザーはSAP HANAに迅速にマイグレーションできるという。データベースの分析とBusiness Suiteのバージョン情報の分析から、データのエクスポート/インポートまで移行作業を全面的にサポートする。SAP HANAプラットフォームとSAP NetWeaverプラットフォームのインストール、SAP ERP 6.0などSAPアプリケーションの最新版アップデートなども含まれ、顧客はBusiness Suiteを再実装することなく、スムーズにデータベースをマイグレーションできるという。

8月末にはSAPは米Hewlett-Packard(HP)とHANAで提携、HPが「HP As-a-Service Solution for SAP HANA」としてHANAライセンスや管理ソフトウェアをバンドルしたソリューションを提供することを発表している。