電通ワンダーマンのワンダーマン・インサイト・ラボ(WIL)は2013年9月2日、企業のスマートフォン対応・活用の状況を把握する「スマートフォンへの取り組み実態調査」を実施し、その結果を発表した。

これによると、回答企業の6割が運営サイトをスマートフォン対応させており、過半数はスマートフォン対応によってビジネスや売上増に貢献していると回答、多数がより高度なマーケティング活用を検討しているという。

本調査は、2013年6~7月、電通ワンダーマンのメールマガジン登録者および、電通ワンダーマン社員が回答を依頼したビジネスパーソンを対象として実施され、89件の有効回答を得た。

回答企業の6割では、すでに運営サイトのスマートフォン対応を果たしている。特に、ECサイトを自社で持っている企業やモールに出店している企業では、71.1%が「ほぼ対応している」「一部対応している」として回答しており、集客活動においてスマートフォンが活用されていることがうかがえた。

自社サイトのスマートフォン対応度調査

スマートフォン対応の開始時期については、2012年が39.6%と最も多く、きっかけとしては「一般市場でスマートフォンユーザーが今後増えると思ったから(54.7%)」「一般市場でスマートフォンユーザーが既に多数いたから(49.1%)」が約半数となった。市場への浸透や消費者の利用拡大を見据えて、スマートフォンの活用に踏み切った企業が多いことが分かった。

スマートフォン対応を行うことで期待する効果は「新規顧客の獲得(61.8%)」と「見込客への接触(50.6%)」が上位を占め、新規顧客獲得への期待が高いことがうかがえた。また、現在スマートフォンへの対応を行っていない企業は「自社の顧客のスマートフォンユーザー率が上がったら(33.3%)」スマートフォン対応を検討するとし、開始時期の見込みとしては「2013年」中も22.2%と多く、今後もスマートフォンに対応する企業は増加すると期待できる。

また、スマートフォン対応のビジネスや売上への貢献については、「貢献している(28.3%)」「確証はできていないが貢献していると思われる(22.6%)」が過半数を超え、すでにビジネスのためのチャネルとして機能し始めていることがうかがえる。特に、ECを自社で持っている企業やモールに出店している企業では、71.5%が「貢献している」「確証はできていないが貢献していると思われる」としており、ECビジネスとスマートフォンの連携が強いこともうかがえる。

「スマートフォン対応はビジネスに貢献しているか?」

一方、自社のスマートフォンへの取り組みへの満足度に関しては「どちらともいえない(51.7%)」が「かなり満足(2.2%)」「やや満足(13.5%)」を大きく上回った。また「やや不満(19.1%)」「かなり不満(13.5%)」も高い数値となっていることから、現状のスマートフォン活用に対する課題も多く、更なる取り組みが必要なことがわかったという。

すでにスマートフォン対応をしている企業は、「SNSでの口コミ拡散(53.8%)」「GPS を利用したマーケティング・情報収集(32.1%)」「クーポンやスタンプラリー(21.4%)」に対する強化意向が、「一応対応している」「対応していない」より高く、バイラルマーケティングや店舗への送客キャンペーンなど、スマートフォンの機能を活かした、より積極的なマーケティング活用を検討していることが分かる。

「スマートフォン対応で強化したい分野は?」