米国VMwareは8月26日(米国時間)「VMware vCloud Hybrid Service」の一般提供を開始すると発表した。同製品は2013年5月に発表され、早期導入プログラムが実施されていた。なお、日本を含むアジア太平洋地域での提供開始は、2014年を予定しているという。

VMware vCloud Hybrid Serviceは「VMware vSphere」を基盤に構築されたIaaS(Infrastructure as a service)である。顧客はオンプレミス/オフプレミスの両環境で、同じスキル、ツール、ネットワーク、セキュリティのモデルを構築/利用できるのが特徴。

今回の一般提供開始に伴い同社は、データセンターの強化を実施。ネバダ州ラスベガスにある既存データセンターを補完すべく、カリフォルニア州サンタクララとバーシニア州スターリングに新たなデータセンターを追加した。

また、企業向けクラウドコンピューティングを提供する米国Savvisとのパートナーシップも拡張する。両社は2013~14年の間、Savvisが北米で運営するデータセンターにvCloud Hybrid Serviceを導入。顧客は新しいデータセンター拠点でvCloud Hybrid Serviceを利用できるようになるという。さらに、Savvisが提供するコロケーションや管理ホスティング、管理サービス、クラウドサービスをはじめ、Savvisの親会社であるCenturyLinkのネットワークも利用できるようになる。

新たに加わった4つの機能

VMware vCloud Hybrid Serviceには「Direct Connect」「Disaster Recovery as a Service」「Cloud Foundry Platform as a Service」「VMware Horizon View Desktop-as-a-Service」の、4つの新機能が追加された。

Direct Connectは、顧客が使用しているデータセンターネットワークと vCloud Hybrid Serviceを専用ネットワーク経由で接続できる機能である。同機能を利用することで、安全で一貫した広帯域接続が可能になるという。

Disaster Recovery as a Serviceは、アプリケーシションとデータを、vCloud Hybrid Serviceに自動的にレプリケーションし、システム停止時に自動復旧機能を提供するものだ。顧客はデータセンターを物理的に用意するよりも少ない費用で、アプリケーションを保護することが可能になる。

Cloud Foundry Platform as a Serviceでは、 オープンソースのCloud Foundryの提供と、Pivotal CFのサポートを全面的に行う。これにより顧客は、パブリッククラウド上で稼働させる際に必要になるアプリケーションの複雑な再設計作業や、独自のクラウドAPIによるロックインを回避できるようになるという。

VMware Horizon View Desktop-as-a-Serviceは、同社の「Horizon View Desktop」をvCloud Hybrid Service上で稼働させる機能である。同機能を利用すれば、物理ハードウェアの調達や管理に伴う費用や作業を負担することなく、迅速に新しいデスクトップを導入できるようになる。

同社 ハイブリッドクラウドサービスビジネス部門 担当上級副社長 兼 ゼネラルマネージャを務めるBill Fathers氏は、「5月21日の発表以来、早期導入プログラムで応募数を超える申し込みがあるなど、顧客の関心も高い。vCloud Hybrid Serviceは新しいデータセンターと重要な新機能の提供を通じ、ハイブリッドクラウドの実現というビジョンを具現化したものだ」とコメントしている。