ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は22日、「BCG 世界消費意欲調査(中国版、速報)」の結果を発表した。「BCG 世界消費意欲調査」は今年で12回目。中国では2013年3月に実施し、12都市1,000人の消費者から有効回答を得た。
今後1年間の消費意欲について、「前年より支出を増やす」と答えた中国の消費者は前年比11ポイント減の27%。日本の7%(2012年調査)、米国の10%(同)と比較すると数値は大きいものの、2011年の36%、2012年の38%から大幅に減少した。
「前年より支出を減らす」と答えた理由を調べたところ、60%近くが「貯蓄のために支出を減らす」と回答。また、2012年の可処分所得に対する家計貯蓄率は38%と10年前より15ポイント上昇したものの、「貯蓄額に満足している」人は22%にとどまった。
BCGは貯蓄志向の増加について3つの理由を挙げている。1つ目は、中国経済の成長スピードの減速により、消費者がより慎重になったためだと指摘。「12カ月以内に経済が回復するだろう」と答えた割合は昨年は約半数を占めたのに対し、今年は38%に減少した。しかし、「今後数年間は経済が回復しないと思う」とした割合は11%にとどまり、中長期的な見通しについて悲観的な人は少なかった。
2つ目には、1人っ子政策による扶養家族の増加、3つ目には住宅価格の高騰を受けたマイホーム購入資金の増加を挙げている。
倹約傾向の中でも「購入する品目を絞って、質の高いものを購入するつもりだ」と答えた割合は80%に上った。また、今よりもより良いものを購入したいという「ワンランク上の消費」を志向する人は、2010年、2011年と同程度だった。一方、「ワンランク下の消費」を行う、または「ブランド消費を減らすことで節約する」とした人は昨年より20%減少した。
都市の規模別に消費意欲を調べたところ、「経済的に安定している」と感じている人は中小都市(中間・富裕層人口3万~50万人)では前年比13ポイント減の57%となり、大都市(同50万人以上)の71%と比べて14ポイント少なかった。
一方、中小都市の中高年層(35~54歳)が引き締め傾向にあるのに対し、若年層(18~34歳)は消費意欲が旺盛であることが判明。中小都市の若年層において、今後1年間の消費意欲について「前年より支出を増やす」と答えた割合は前年比7ポイント増の71%となり、地域別・年齢別で見た中で増加率が最も大きくなった。
BCGは「2020年には中小都市の中間・富裕層が人口の27%、消費の40%を占めるようになる」と予想している。