三菱電機は6月13日、白物家電や産業用モータをインバータ駆動するパワー半導体モジュールの新シリーズとして、第7世代IGBTを搭載することにより、低消費電力を実現した「超小型DIPIPM Ver.6」シリーズ(定格電流5A~35A、耐圧600V)を発表した。

同シリーズは、CSTBT構造を採用した第7世代IGBTを搭載することにより、低電流域のオン電圧を従来品比で15%低減した。さらに、インバータを低消費電力化し、エアコンなどの通年エネルギー消費効率を改善できるのに加え、IGBTのオン電圧バラつきを同33%から21%に削減し、低消費電力化に寄与する。

また、全定格電流(5A~35A)で電流制限抵抗付きBSDを内蔵(従来は15Aまで)することにより、外付け部品数を削減できる。加えて、内蔵ICの短絡保護検知電圧のバラつきを10%から5%に半減させて短絡電流検出精度を向上させ、インバータの過負荷運転範囲を10%拡大した。

このほか、飽和電流を定格電流の3倍へ拡大したこと(従来は2倍)により、定格電流10Aタイプではインバータの瞬時通電許容値を20Aから30Aへと拡大しつつも、外形サイズ、ピン配置などは、従来製品との互換性を確保している。

なお、同シリーズは、新たに定格電流35Aタイプを加え、5A~35Aの6品種をラインアップしている。サンプル価格は35A/600VのPSS35S92E6/F6」が2600円。6月21日から順次発売する。

三菱電機の次世代パワー半導体モジュール「超小型DIPIPM Ver.6」シリーズ