日本IBMは6月13日、企業のビジネス変革のためのモバイル・コンピューティング基盤の構築を支援するソリューション群「IBM MobileFirst」をさらに強化するため、モバイル・エンタープライズ・アプリケーション・プラットフォーム(MEAP)製品の最新版となる「IBM Worklight V6.0」を発表した。

IBMが推進する「IBM MobileFirst」は、モバイルを活用しビジネスの変革や創造を支援するコンセプトと、その具現化のためのソリューション群の総称。

「IBM Worklight V6.0」では、Worklightで開発したモバイル・アプリケーションのテストにおいて、1つの端末での操作の記録を、他の異なる機種の端末で自動再生することができる。この自動再生機能は、カメラ、音声、位置情報などモバイル特有の機能や、iOSおよびAndroidといったOSと、機種毎に異なる画面サイズやユーザー・インタフェースに対応している。

Worklightがサポートするモバイル・アプリケーションの4つのタイプ

また、モバイル・アプリケーションと接続するサーバに関する様々なログデータを収集し、分析する機能を追加。利用者数やその利用環境(端末の機種やOSの種類)の内訳といった接続情報の統計や、それぞれの端末での障害やセキュリティ問題のアラートと位置情報の収集および分析ができる。

さらに、位置情報を利用したアプリケーションなどの提供をより容易にするためのサービスを実装。ユーザーの行動範囲をエリア化して把握する「Geo Fence」を活用し、より正確な位置情報のための接続頻度を減らすことで、ネットワークや電源などのリソース負荷を軽減することができる。また、ビジネス・プロセスを実行するバックエンド・システムと連携することで、たとえば、「この地点を通過する際にクーポンを送付」「ある区域に入ったら予約済ホテルに自動チェックイン」といった、位置情報を活用したモバイル・アプリケーションによるビジネスの創出を可能にする。ライセンス使用料金は、558万9,150円。

同社は同時に、「IBM MessageSight」と「IBM Business Process Manager V8.5」も提供開始する。

「IBM MessageSight」は、モバイル端末をはじめとする、M2Mにおける大量の情報を、安全に送受信する新しいアプライアンス製品で、メッセージの送達確認機能や、大量メッセージの一斉通知を行うことができることから、モバイル端末を含む多様なデバイスで情報がやり取りされる、たとえば為替や株の取引など、正確、確実、かつ即時性が要求されるビジネス・アプリケーションの信頼性向上を支援する。また、カーナビなどの車載機や、電力量計などのスマート・デバイスとのメッセージの送受信にも適しているという。価格は、2,735万9,850円。

「IBM Business Process Manager V8.5」は、ビジネス・プロセスの可視化と管理機能を提供するソフトウェア製品の最新版で、アプリケーションのユーザー・インタフェースを作成する機能「Coach Designer(コーチ・デザイナー)」のモバイル・アプリケーション向けツールキットでは、位置情報やマップ、レイアウトなどが追加され、モバイル端末特有の機能をWorklightの機能を使いながら開発、IBM BPM APIを介して、リッチなモバイル・インタフェースをプロセスに組み入れる事を実現する。ライセンス使用料金は6万5,730円。