米カリフォルニア州サンフランシスコで6月10日(現地時間)、Appleの開発者会議「WorldWide Developers Conference 2013 (WWDC 2013)」がスタートする。日本時間で6月11日午前2時には同社CEOのTim Cook氏らによる基調講演が行われる予定で、ここではiOSやOS Xなど、主に開発者視点でのソフトウェア/サービス新製品の概要が紹介される見込みだ。本稿ではOS Xの新バージョンならびに、ハードウェア刷新が噂されているMacBookについての最新情報を集めてみた。WWDC直前での参考ガイドとしていただきたい。

iOSとは対照的にハードウェアに期待が集まるMac

ソフトウェア関連の話題が多く出ているiOSに対し、Mac関連では「OS X 10.9」などといわれる新OSに関する話はほとんどなく、実際にどのような改良が行われるのかも予想がつかない状態だ。例えば、多くの噂系サイトや新聞社の報道でもiOSやiRadioといったキーワードが目につくのに対し、OS Xに関する話はほとんど書かれていない。かろうじて話題に触れているTechCrunchでさえ、Finder関連の改良やちょっとしたマイナーチェンジが行われるにとどまるとの予測だ。実際、現行のOS X 10.8 Mountain Lionにおいて、機能的不足はすでにほとんど感じていない状態で、iOSからの機能のフィードバック(Back to Mac)もかなりの部分で達成されつつある。あとこれ以上を望むとしたら、iOS 7で噂されるフラットなアイコンデザインの採用のほか、「iOSとのアプリとの一部相互互換性」などを実現するしかないだろう。WebKit関連の問題でGoogleと分裂することになったSafari関連のアップデート情報にも期待したいところだ。

ソフトウェア関連の情報不足とは対照的に、活発に盛り上がっているのがMac新製品だ。折しも6月初旬のタイミングでIntelが新製品の第4世代Coreプロセッサ(Haswell)を発表したことで、AppleもまたHaswell搭載新型Macを投入するとの観測が高まっている。最も有力といわれているのが「MacBook Air」と「MacBook Pro (with Retina)」の2つの製品ラインで、特に前者については9 to 5 MacがSKUの存在を確認済みとの報道を行っている。採用するプロセッサ等の情報は不明だが、高速版のWi-Fiチップを搭載する可能性が高いとのこと(IEEE 802.11acだとみられる)。価格帯もほぼ現行と同レベルで、順当なアップグレードになると考えられる。