RAMBUSは6月7日、都内で会見を開き、同社の現状などの説明を行った。

同社の上級副社長 最高マーケティング責任者であるジェローム・ナデル氏は、同社のこれまでの変遷を振り返り、「RAMBUSは大きく変革を遂げつつある」と、単なるメモリ技術の開発企業から、新たなビジネスモデルの構築を進めていることを強調した。すでにメモリ以外の分野として、LED照明などの製品やサービスの提供を開始しており、IPビジネスや技術ライセンスの従来ビジネスに加え、自社技術を製品へと展開するようにもなってきたとする。

RAMBUS 上級副社長 最高マーケティング責任者であるジェローム・ナデル氏。手にしているのが同社が開発したLED電球。右はLED電球を上から撮影したもの。この形にすることで、熱を逃がしつつ、LEDの光を最大限引き出すことが可能となるほか、白熱灯に近い、均等な球状による配光を実現できるようになったとする

製品開発・販売を行うことは、これまでのパートナー企業が競合に変化する場合もあるが、同社としては、カスタマ重視のエコシステムの構築により、競合しない努力を行っているとしており、2013年に入ってから、すでに多くのコラボレーションによる成果が出てきているとする。

RAMBUSのこれまでのビジネス(左)と、今後の事業拡大に向けた新たなビジネスモデルの概要

また、モバイル分野については、「将来、IoT(Internet of Things)の進展により、その定義が変わってくる」とし、特に、セキュリティの確保の問題などが問題になってくるとするが、そうした課題に対応するソリューションの提供をメモリなどのIPと併せてRAMBUSが行っていくことで、トータルソリューションとして高い性能を実現する次世代のモバイル機器で実現できるようになるとする。

そうした鍵を握る技術の1つが拡張標準ソリューション「R+シリーズ」を採用した「R+LPDDR3アーキテクチャ」で、これを使うことで、LPDDR3に比べて、最大2倍の帯域幅を確保しつつ、低消費電力化やSoCの開発プロセスの簡易化などを実現することが可能になるため、数年後に実用化されるであろうLPDDR4と同等性能を実現でき、システムの延命が可能になるとした。

R+ソリューションを搭載した「R+LPDDR3」と従来メモリとの性能比較

このほかにも、組込機器向け暗号化IP技術やIoT向けを中心とした双方向通信技術なども開発しており、研究所ではさらに将来の技術としてNAND型フラッシュメモリの置き換えとなるPRAMやMRAMや、イメージセンサ技術などの研究も進めており、そうした新たな技術も含め、幅広い分野にIP、技術、製品を提供していく企業へと変化を今後も進めていくことを強調した。