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NASAは5月30日(米国時間)、GRAILミッション(Gravity Recovery and Interior Laboratory mission)の結果、月の重力分布調査に成功し、これまで謎とされてきた月の重力分布の成り立ちを解明することができたと「NASA's GRAIL Mission Solves Mystery of Moon's Surface Gravity」において発表した。現在の月の重力分布は、数十億年前に発生した隕石の衝突が原因であることが確認されたという。

月には重力が高い(高密度の物質が扱っているエリア)マスコンと呼ばれる領域と、そうではない領域が存在することが知られている。なぜこのような構成になっているのかは長い間推測の域を出なかった。NASAはGRAILミッションにおいて月の内部まで重力分布の状況を調査。結果、数十億年前、現在よりも内部温度が高かった時代に月に落ちた隕石の影響でこうした重力分布が発生したことを突き止めたという。

今回GRAILミッションで得られたデータは、より詳しく月の成り立ちを解き明かすデータとして活用されるほか、地球の成り立ちの解明にも役立つとされている。また、同様の手法で他の惑星や衛星の重力分布を調査するといった用途にも応用が期待できる。