凸版印刷は、校務管理・学習者管理・教材管理が一体になったICT教育支援システムの自治体への提供を6月より本格的に開始すると発表した。

今回提供するICT教育支援システムは、佐賀県の「先進的ICT利活用教育推進事業」の一環として開発したもので、同社が佐賀県教育情報システム「SEI-Net(セイネット)」に提供している。

このシステムでは、小学校や中学校、高等学校に通う児童・生徒について、教職員が出欠管理や成績管理、保健管理などの情報をシステムに入力して専用のクラウド上のセキュリティサーバに蓄積。情報の授受は専用回線を通じて行うことで県教育委員会と市町教育委員会が連携し、児童・生徒一人ひとりの情報を、小学校から高等学校にいたるまで一括して参照できる。

佐賀県に提供した「ICT教育支援システム(左)」と、「学習管理システム(右)」の児童・生徒用メイン画面

具体的には、学籍管理(成績処理、出欠管理、所見・指導要録案、通知表・調査表作成など)、保健管理(来室記録、保健日誌など)、行事・スケジュール管理(行事予定、施設・備品予約など)、文書管理(週報、業務日誌など)、授業管理(時間割管理、配布プリントPDF化など)、学習習熟度管理、教材管理などを実現。

凸版印刷によれば、校務管理・学習者管理・教材管理が一体になったICT教育支援システムは国内初だという。

佐賀県では、県内すべての児童・生徒、保護者、教職員、計20万8,000人の利用に対応できるように設計。2013年4月1日から、佐賀県立の高等学校36校、中学校4校、特別支援学校8校にて校務管理システムの一部機能から運用をスタートした。

凸版印刷では、2013年秋までに、佐賀県における校務管理システムのすべての機能と、学習管理・教材管理システムの稼動を目指し、現在の県立学校での利用に加え、順次、市町の公立学校の利用にも拡大させていく予定。

さらに、本システムをベースとしたICT教育支援システムを他都道府県、市町村の教育委員会へも提供し、2015年に15億円の売上を目指す。

また、今後は、同グループ企業で教科書等を手掛ける東京書籍と連携、ICT教育支援での事業拡大を図る。