デルは5月10日、エース損害保険が、デルのサーバおよびストレージを導入してバックアップシステムを刷新したと発表した。
新バックアップシステムは災害時の迅速な復旧を見据えて、データリカバリの大幅な時間短縮と、東京・大阪のデータセンター間でレプリケーションを実現し、災害対策(DR)ならびに事業継続(BCP)を推進、2012年5月より段階的にシステム構築が進められ、現在、安定稼働している。
エース損害保険は、スイスのチューリッヒを拠点に世界53カ国で事業を展開するエース・リミテッドの日本法人で、以前からDRの一環として各種データベースやメールサーバなどのデータを日次でテープにフルバックアップしてきた。
2011年3月の東日本大震災を機にBCPの必要性が高まり、遠隔地からのデータ取得に時間がかかる、バックアップ作業が翌朝まで完了しない、テープ管理にまつわる業務負荷など、テープバックアップシステムの課題が顕在化、これを解決するため、バックアップ先をディスクストレージに変更、iSCSI SANストレージ「Dell EqualLogic」によりD2D(Disk to Disk)でのバックアップ環境を整備し、ネットワークを介して東京と大阪のデータセンターでレプリケーションする仕組みを確立した。
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エース損害保険の事例 |
また、2ソケット1UサーバDell PowerEdge R610を採用して、iDRACでのリモートによる障害からの復旧が可能なシステムを構築。遠隔地での迅速なデータバックアップを実現すると共に、本番システムの運用停止に備えて、大阪のデータセンターに最新の仮想化ソフトウェアを導入した仮想環境上にユーザテスト環境を構築し、緊急時のシステム切り替えを可能にした。
これにより東京と大阪のデータセンター間で差分データを転送して数十分程度でデータバックアップを実施。さらに事前に作成したスケジュールに基づきバックアップ処理を自動化し、人手による作業は一切不要となり、運用負荷が軽減されたという。
今回導入されたシステムは、「Dell EqualLogic PS6010XV」2台、「高機能SAS(Serial Attached SCSI)HDD搭載 Dell EqualLogic PS6010E」3台、「10Gb対応iSCSI SAN Dell PowerEdge R610」13台、「VMware vSphere 4.1」。
