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次期Linuxカーネルバージョン3.10の目玉機能のひとつになるとみられる「bcache」がカーネルソースツリーにマージされた。bcacheはLinuxのカーネルレベルで動作するブロックレイヤキャッシュの実装系。特定のデバイスを他のデバイスのキャッシュとして利用できるという機能。ここでは主にHDDのキャッシュとしてSSDを活用するケースが想定されている。

bcacheが提供するキャッシュ機能はZFSのL2Arcの動作に似ているが、bcacheはライトバックに関してもキャッシュを実施するという違いがある。デフォルトの設定ではシーケンシャルアクセスに対してはキャッシュを提供せず、ランダムI/Oに対してキャッシュを提供する。SSDの特性を活かし、もっとも効果がでるケースでSSDを動作させる。実装はトランスパレントになっており、利用するにあたってアプリケーションやユーザ側に変更の必要はない。

bcacheの説明によれば、bcacheを使うことでHDDの廉価性と大容量という特徴と、SSDの高速さの双方の利点が得られるようになり、従来のバッテリー機能付きのRAIDカードに対する優れた代替案になり得るとしている。bcacheはLinuxカーネルへのマージが期待されていた機能で、Linuxカーネルバージョン3.10から利用できるようになる見通し。