STMicroelectronicsは、同社子会社で臨床や特殊分野などの各種テスト市場向けに、STのMEMS技術とマイクロ流路を組み合わせたラボ・オン・チップ・プラットフォームをベースとする多重化分子診断ソリューションの開発・製造・販売を行っているVeredus Laboratoriesが、STの提供するラボ・オン・チップ「VereFlu」の最新バージョンを用いることで、中国で発生中のインフルエンザの原因である鳥インフルエンザH7N9型の検出に成功したことを発表した。

H7N9型は、発生地域の不安材料となっており、監視が強化されている最新の変異株。Veredusが提供する携帯型バイオ・システム「のVerePLEX」で駆動するVereFluは、2種類の分子生物学的手法であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR:Polymerase Chain Reaction)とハイブリダイゼーションを組み合わせた検査方法を提供しており、主要インフルエンザの全タイプを迅速に検出することが可能だ。

同システムを用いることで、従来は数日から数週間要していた感染症の遺伝情報を2時間以内に取得することができるほか、高度に自動化されているため、従来のラボ環境にいないユーザも必要に応じて検査を行うことができるという。

なお同社では、今回の鳥インフルエンザH7N9型のほか、すでに過去の実績として、鳥インフルエンザH5N1型やH1N1型、ヒト・インフルエンザA型(H1、H3、H5、H7、H9)およびB型ウィルスをすべて1回の検査で特定・区別できることが実証されているとしている。

VereFluによるH7N9の検査イメージ