Google Chrome runs web pages and applications with lightning speed.

GoogleはChromeのレンダリングエンジンのベースに「WebKit」を採用している。WebKitはSafariのレンダリングエンジンのベースとしても使われているほか、HTMLレンダリングを必要とするさまざまなオープンソースソフトウェアで活用されている。

先日、Opera SoftwareはOperaで採用しているPrestoレンダリングエンジンからWebKitベースのレンダリングエンジンへ切り替えると発表。これで開発が継続している代表的なHTMLレンダリングエンジンはIEのTrident、FirefoxのGecko、SafariやChromeのWebKitという3強体制になった。HTMLレンダリングエンジンの種類が減ることでレンダリング差異の問題が減ると歓迎する意見があったほか、多様性を失うことはオープン性を失うことであり好ましくないとする意見や、WebKitベースといっても実際にはさまざまな違いがありPrestoが消える程度ではレンダリング差異の問題解消にはならないとする意見など、さまざまな反応が見られた。

この状況にさらに変化が加わることになる。Googleは4月3日(米国時間)、「Blink: A rendering engine for the Chromium project」において、ChromeのHTMLレンダリングエンジンを変更すると発表。WebKitをベースとした新しいHTMLレンダリングエンジン「Blink」へ移行するとした。Chromeが採用しているマルチプロセスアーキテクチャはWebKitが想定しているモデルと異なっており、この差異を吸収するための取り組みが複雑になったためだと説明している。

今回のGoogleの取り組みで、代表的なHTMLレンダリングエンジンはIEのTrident、FirefoxのGecko、SafariのWebkit、ChromeのBlinkということになる。若干土俵が異なるが、MozillaとSumsungが発表したServoもある。Blinkの登場はほかのOSSにHTMLレンダリングエンジンの選択肢を広げることになる。