ルネサス エレクトロニクスならびにルネサス モバイルは3月25日、次世代のハイエンド車載情報端末向けSoC「R-Car」の第2世代品「R-Car H2」を製品化したことを発表した。

同製品は、ARM Cortex-A15/A7を各4コアとSH-4A(1コア)の合計9コアを搭載することで、前世代「R-Car H1」比で2倍以上の性能となる25000DMIPSを実現しつつ、電力性能比を従来世代比で6倍改善することに成功したとする(各コアの動作周波数についてはカスタマの要求に応じて数百MHz~GHzで設定が可能で、全体的な性能と電力のバランスを見て決まっていくとしている)。

また、3DグラフィックスコアとしてImagination Technologies(IMG)の「PowerVR G6400」を採用することでシェーダー演算処理を従来世代品比で約10倍向上させたほか、OpenGL ES3.0への対応や2倍/4倍/8倍アンチエイリアスによるエッジライン表現、OpenCL1.1eによるGPUコンピューティングへの対応などが図られている。

さらに、画像認識エンジン「IMP-X4」の搭載により、前世代の画像認識エンジン「IMP-X3」比で最大4倍の性能を実現することが可能で、4アプリ同時実行も可能になるほか、OpenCVへの対応によりGPUコンピューティングの活用や標準アプリケーションの作りこみが容易になるという。

このほか、USB 3.0やEthernetAVBへの対応のほか、オープンな24ビットオーディオDSPを搭載しており、これによりさまざまな音処理などを自由に開発することが可能となっている。加えて、OpenMAXやGstreamerなどの標準インタフェースに対応した動画処理も可能となっている。

対応OSはLinux、Windows Embedded Automotive、QNX Neutrinoとなっており、開発に関してはエコパートナーと緊密な関係を構築して、従来以上に使いやすいものを提供していきたいとしている。

なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2015年6月より開始する計画。量産規模は2016年6月で月産10万個を計画しているとする。

ルネサスの第2世代R-Car H2のパッケージ画像