国民生活センターは3月21日、情報商材を購入してインターネット上で口コミなどの宣伝を書き込む内職(宣伝書込内職)に関する相談件数が増加していると発表した。

全国消費生活情報ネットワーク・システムのPIO-NET(パイオネット)のデータによると、宣伝書込内職に関する相談件数は2010年度の201件をピークに昨年度は151件と減少したが、2012年度の相談件数は2013年2月28日までの登録分で147件(前年同期119件)、再び増加傾向に転じているという。

情報商材の購入を伴う宣伝書込内職に関する相談件数

これらの相談のなかには、「簡単な作業で必ず儲かる」といった内容の情報商材を購入した契約者に対して、業者が電話で強引に宣伝書込内職の契約を迫る手口や、宣伝書込内職のための高額な情報商材を購入させる手口などがあり、一度料金を支払ってしまうと契約者が解約を申し出ても返金されないケースが多いとのこと。

同センターは、比較的低額な情報商材の購入後に内職契約を勧誘される「商品仕入型トラブル」と、アフィリエイトをするための高額な情報商材を購入させられる「アフィリエイター育成型トラブル」の2パターンにわけて実際の相談事例を紹介している。

「商品仕入型」の仕組み

「アフィリエイター育成型」の仕組み

同センターはこれらの相談に関して、「儲かる」という説明に反して実際には儲からないことや、「簡単な仕事」とだけ伝えて作業内容、仕組みを契約前に説明しないこと、初心者の段階で契約時に大量の仕入れや高額な情報商材を勧めることなどを問題点として挙げている。また、これらの業者は、特商法の対象でないと返金に応じないケースが多く、また、事業者同士の契約であるという理由で同センターの交渉に応じないという。

また同センターは消費者に対し、業者の広告やセールストークを安易に信じないこと、高額な契約や仕事の内容が不明確な契約をしないこと、トラブルにあったらすぐに消費生活センターなどに相談することを呼びかけている。

●商品仕入型トラブルの相談例
【事例1】契約前に作業内容を知らされず、「儲かる」と電話で力説され契約したが、儲からない
インターネットで「在宅ワーク」を検索したところ、あるブログに「副業で月に売り上げ40万!」とあった。詳しく知るために連絡先を入力したところ、成功する秘訣を書いた2万円の情報商材を買うようメールが届いた。どんな情報商材か問い合わせると「詳しくは話せないが必ず儲かる」と力説されたので、信じて買うことにした。情報商材に副業の詳しい説明はなかったが「稼げなければ返金」と書いてあり、よほど儲かる副業なのだと思った。その後、業者に問い合わせると電話があり、業者に作業内容を聞いても「とにかく指示通りにすれば大丈夫。すぐ売れるから、禁煙グッズ150個30万円の契約をしないか。売れるよう全力でサポートするから安心して」と熱心に説得されて、信用して契約してしまった。入金後にメールが届き、作業内容はブログで宣伝を書き込むことであると知った。指示通りにブログの更新や、ブログに集客するために他のブログに1日数百の訪問履歴やコメントを残したが、売り上げはない。契約前に作業内容や利益が入る仕組みを知らされていれば契約しなかった。返金してほしい。
(相談受付年月:2012年7月、契約者:40歳代、女性、家事従業者、神奈川県)

【事例2】文字を入力するだけの仕事と説明されたが、商品が売れないと収入にならない契約だった
「副収入が得られる」という情報商材の広告メールが届いたので、副業のやり方が書いてあると思い、約1万円でダウンロードした。サプリメントの通販ビジネスの長所ばかりが書いてあり、最後に「ホームページ作成、在庫管理、梱包、発送、顧客対応を全て当社がやる」「簡単な作業で確実に稼げる」と書かれていた。副業の内容が全く分からず、「不明点は相談を」と書いてあったので業者に電話をすると「当社が教える文字を打ち込むだけ。万全にサポートするので間違いなく売れる」と説明され、サプリメントの販売権利やホームページ作成等合わせて約50万円の契約をした。その後、業者からブログやメールで販売促進をするようにと連絡があった。簡単に稼げると説明されたが、商品が売れなければ収入にならない。解約し、返金してほしい。
(相談受付年月:2012年2月、契約者:40歳代、男性、給与生活者、埼玉県)


●アフィリエイター育成型トラブルの相談例
【事例1】1つの情報商材を買った後に「今だけ」と焦らされて2つ目の契約をした
インターネット上の情報商材のショッピングモールで「パソコンに不慣れな主婦でもアフィリエイトで月1万円以上稼げる」「返金保証付き」という情報商材を知って約10万円で申し込んだ。申し込みの後、「画面を閉じずにこちらへ」と別の画面に誘導され、「もうひとつのコースを申し込めば、SEO対策のためのソフトが入手でき、他のどんなアフィリエイターよりも早く報酬をあげられる」という広告を見た。その画面でしか申し込みができないと書いてあったので、よく考える余裕もなく、その日のうちにさらに約25万円の契約をした。業者から指示されたASPに登録して宣伝の仕事を提供してもらう。情報商材に含まれるソフトを使って、業者の指示通り1000以上のWebサイトや宣伝文を作成したが、全く売れず、収入が得られなかった。説明と違うので返金してほしいが、業者が応じない。
(相談受付年月:2012年4月、契約者:60歳代、女性、無職、山形県)

【事例2】「儲からなければ返金」と説明されて契約したが、知らされていない返金条件があり返金されない
メールマガジンで「必ず儲かる」というアフィリエイトの情報商材を知った。「6ヵ月間で代金以上の収入がなかった場合は返金する」と書いてあったので、儲からなくても負担がないと思って約20万円で契約した。業者から提供されたソフトを使い、ASPで委託された商品についてSNSなどに宣伝を書き、それを見て広告主の販売ページで商品を購入してくれる人がいれば報酬が得られる。しかし、6ヵ月間で数千円の収入しかなかったので業者に返金申請をしたところ、業者から「作業報告をすることが条件だが、あなたはしていないので返金できない」との返信があった。返金条件を聞いた覚えがなく、納得できない。
(相談受付年月:2012年6月、契約者:30歳代、男性、給与生活者、北陸地域)