高齢者の方が賃貸物件を契約する時、一般の契約と違い若干条件が厳しくなる場合があります。そこで、民間が運営するサービス付き高齢者賃貸住宅や高齢者向け有料老人ホームが注目を集めています。

「高齢者賃貸住宅」と「老人ホーム」との違いは?


■老人ホームとは違うの? 「高齢者賃住宅」って何?
一般的にいわれている「高齢者賃貸住宅」とは、「サービス付き高齢者向け住宅」のことで、国土交通省の所管となり、安否確認・生活相談サービスの付加を必須としている賃貸住宅のことをいいます。

「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が根拠となっており、平成13年施行時は、高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)として運用されてきましたが、平成23年の法律改正により、先の3施設は廃止され、サービス付き高齢者向け住宅に一本化されました。

施設の登録基準を設けて、都道府県・政令市・特例市で登録されるようになっています。登録情報はサービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(http://www.satsuki-jutaku.jp)をご覧ください。

・利用対象者
高齢者(60歳以上)または当該高齢者と同居する配偶者

・サービス内容
(必須)安否確認/生活相談
食事/介護/生活支援などのその他のサービスは住宅ごとで異なる

・契約方式
多くの施設では月払い方式を採用、前払い方式もあり

・費用
家賃 月額5万円~20万円

サービス費 月額2万円~4万円程度
・職員の配置

ケアの専門家などが日中常駐して、必須サービスを提供
・設備

1戸の床面積25㎡以上、一定の構造・設備、バリアフリー構造など法律で基準が決定

■よく耳にする「老人ホーム」とは?
一方、一般的にいわれている有料老人ホームは厚生労働省の所管となります。「老人福祉法」に基づいて介護や食事などの生活サービスを提供する施設で、老人福祉施設ではないものを言い、健康型・住宅型・介護付などの種類があります。

・利用対象者
概ね60歳以上の高齢者

・サービス内容
食事/相談・助言/介護/レクリエーションなどホームによって異なる

・契約方式
利用権方式が多く、一時金の設定や月額費用の支払い方法はさまざまに異なる

・費用
入居一時金 0円~数千万円
利用料 月額15万円~30万円程度

・職員の配置
法律で基準が決まっている

・設備
個室13㎡/人以上、施設・設備など法律で基準が決まっている

■それぞれのニーズにあわせて
なお、契約方式については、双方とも「利用権方式」「建物賃貸借方式」「終身賃貸方式」がありますので、契約時に確認してください。

事業者によって、居室・共用部分の設備や、提供されるサービスの内容も異なります。あわせて必要な費用も変わってきますので、事業者によく内容を確認し、自分のニーズに合っているかを考えたうえで決定しましょう。

(文・徳本廣明)

識者プロフィール
徳本廣明
一級建築士・マンション管理士・宅地建物取引主任者など、建築設計に関する総合コンサルタント。3月中旬には建築専門出版社であるエクスナレッジより「住宅のプロが教える 中古住宅・マンションを正しく見分ける方法」の発行が予定されている。