野村総合研究所(以下、NRI)は、鹿児島銀行にインターネット接続とメール環境の運用管理をクラウド方式で実現し、3重のファイアーウォールと仮想PC環境を有する「IT plug'n Go!(アイティ・プラグンゴー)」サービスを提供すると発表した。

「IT plug'n Go!」サービスの仕組み

厳重なセキュリティが求められる金融機関においては、社内(イントラネット)と社外(インターネット)に接続するPCを分けることにより、外部からのウィルス侵入を物理的に遮断し、リスクを回避することが一般的だった。その場合、1台のPCで事務作業を完結することができず、業務の効率化を図れないことが課題となっていた。また、1台のPCで社内と社外に接続できるようにするためには、自前のゲートウェイを整備するなどのシステム対応が求められ、金融機関にとって負担が多く、導入するにも時間がかかっていた。

NRIが提供する「IT plug'n Go!」サービスは、セキュリティを強化しつつ、1台のPCで社内と社外の接続を可能にするクラウド方式を利用することで、安価で短期間に導入できる。

「IT plug'n Go!」は、社内のPCから、社外のデータセンターを用いたクラウド上の仮想的なデスクトップ環境を介して、メールサーバやインターネットに接続。その際、社内に接続する部分と社外に接続する部分は、1台のPCの中にそれぞれ独立した形で構成され、社外に接続する部分は、データセンタ内にあるゲートウェイで外部からのウィルス感染を防ぐことにより、リスクを取り除く仕組みとなっている。

また、銀行業務に必要な安全性を確保するため、これまで多くの銀行で、外部へのメール送信にあたって専用端末を用いるとともに、申請や承認を台帳で管理していたが、本サービスにおいては、申請の仕組みをメール送信時に組み込んであり、承認後にメールが送信される。