東北地区の被災3件の県別新設法人の月ごとの推移

東京商工リサーチは3月7日に、「2012年1~9月に設立された法人」についての調査結果を発表した。

同調査は、同社の企業データベース(249万社)に収録されている新設法人データの中から、2011年1月~2012年9月までに設立された新設法人データを抽出、分析したもの。

福島は全国3位の増加率

同社によると、東日本大震災から2年を迎えた現在、岩手、宮城、福島の被災3県では復興に向けて新しい法人の設立が目立っているという。2012年1~9月に全国で新しく設立された法人は7万5,265社(前年同期比9.6%増)だが、被災3県では2,807社(同43.5%増)。なかでも福島は前年同期比68.8%増で全国3位の増加率だった。

地区別でも、東北は同35.1%増と増加率トップ。東北が一体となり、復興に向けて進んでいる様子がうかがえる。また、「福島」や「東北」など地域の復興を目指して「地名」を冠した名前も目立った。震災で生活基盤を失っても、新たな法人名に地元への愛着や地域貢献を示す動きが定着しているようだ。

被災3県を内陸部と沿岸部でみると、内陸部が1,761社(前年同期比32.1%増)に対し、沿岸部は1,046社(同68.1%増)で、津波被害が大きかった沿岸部の増加率が高い。産業別では、農・林・漁・鉱業や建設業、製造業の増加率が大きく、復興に向けた動きが本格化している。

新設法人の増加率を地区別にみたところ、東北が前年同期比35.1%増(3,804社)で1位。次いで、中部が同26.8%増(7.442社)、九州が同18.2%増(7,374社)、四国が同10.1%増(1,417社)、中国が同8,9%増(2,897社)、北海道が同7.0%増(2,856社)、関東が同6.8%増(3万6,338社)、近畿が同0.6%増(1万2,045社)、北陸が同0.2%増(1,092社)の順となっている。

増加率2位の中部は、2009年4月に東海環状自動車道が伸びて交通アクセスの利便性が高まり、各種サービス業や不動産業などが増えた岐阜県(815社、前年同期比116.8%増)が底上げしたと見られる。