一時的かもしれない、錯覚かもしれない、調査の失敗かもしれない――。そう繰り返しながらも、ソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏は「一番つながるのはソフトバンク」という調査結果が出たことを、満面の笑みで報告した。ソフトバンクの2013年3月期第3四半期の決算説明会でのひとコマだ。

第3四半期の決算説明会でつながるソフトバンクをアピールする孫正義代表

決算説明会に登壇した孫社長は「世界でも類を見ないほどの速さで、プラチナバンド向けの基地局設置を行なってきた」と切り出した。申請計画より2カ月早い2013年1月に、1万6000基地局に到達できたという。計画では2015年3月に3万6000局まで増やす予定だ。

プラチナバンドの基地局は2013年1月に1万6000基地局に到達。2015年3月に3万6000局まで増やす予定

それを踏まえた上で、孫社長が強くアピールしたのは携帯電話の音声接続率・データ接続率に関して。音声接続率に関しては、全国に在住するNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの各ユーザーに承諾を得た上で、月間で13万件にもおよぶ通話発信をして"つながったかどうか"を調査し、データを集計したという。その結果、1月29日現在の最新調査ではソフトバンク(iPhone)の接続率は98.4%、au(iPhone)の接続率は98.3%、NTTドコモ(Android)の接続率は98.0%というデータが得られた。ちなみに、プラチナバンドを開始した頃(昨年7月24日)はソフトバンクは97.3%で最下位だった。

昨年夏に比べて、音声接続率が大幅に改善した。東名阪ではソフトバンクの音声接続率が他社を上回ったという

「この会場にいる99%の人が、一番つながらないのはソフトバンクと思っていたかもしれない。私もそう思っていました。皆さんのイメージとは、かなりかけ離れているかもしれない。けれど、"完全に最下位"という状況から、"他社ともつれ合う、場合によっては上回る"というレベルにまで一気に改善しました。特に直近の5カ月間は、NTTドコモさんには完全に勝っている」と言葉に力を込めた。「プラチナバンドの威力は、我々が想像していたよりもすごかった」。