東京エレクトロン デバイス(TED)は1月24日、XilinxのAll Programmable SoC「Zynq-7000」を搭載した英OmniTek製ブロードキャストアプリケーション向け評価キット「OZ745 Zynq SoC Video Development Platform」を発売すると発表した。

放送機器メーカーの製品開発では、変化し続ける規格に対応しつつさまざまな機能を搭載した次世代製品を短期間で市場に提供することが求められている。同評価キットは、ARM Cortex-A9 MPCore搭載の「Zynq-7000」ファミリのうち「XC7Z4045」を採用し、機器のパフォーマンスを向上させることが可能なほか、プラットフォーム上にSD-SDI/HD-SDI/3G-SDI、HDMI、USBなどのインタフェースを用意しているため、プロセッシング重視のリアルタイムビデオアプリケーションを容易に実現することが可能だ。

これにより、従来、プロセッシングの要件を満たすために使用していた複数のチップを、1チップのZynq-7000に置き換えることにより機器のBOM(Bills of Materials)コスト削減を実現できるようになるとともに、低消費電力化も可能となる。また、ハードウェアやソフトウェアなどがすべてプログラマブルという特長から、製品の市場投入時間の短縮が可能となり、規格の進化や仕様変更の際にも再プログラムで容易に対応することができることから、開発期間とコストを抑えながら、他社製品とは異なる差別化要因の開発に重点を置くことが可能になるとTEDでは説明している。

なおTEDでは、OmniTekと協業して「Zynq-7000」をベースとしたデザインサービスの対応も予定しており、ブロードキャストアプリケーションでのFPGAの活用に寄与していく方針。出荷は2013年3月からを予定しているという。

TEDが国内販売を開始する英OmniTek製ブロードキャストアプリケーション向け評価キット「OZ745 Zynq SoC Video Development Platform」