ドワンゴは20日、東京・六本木のニコファーレにてトークセッション「ブログやメルマガで食える人は本当に増えるのか?」を開催し、津田大介氏、岩崎夏海氏らが出席、熱い議論を戦わせた。

津田大介氏、岩崎夏海氏らが出席した他、思わぬサプライズゲストも参戦

トークの中ではプラットフォームのあり方や、ネットユーザーにお金を払ってもらうためにはどうすればいいのかといった方法論などが語られ、また会場に顔を出していた著名ブロガーの小飼弾氏と岩崎氏が激しくやりあう場面も見られるなど、色々な意味で濃い会となった。

トークセッション参加者とプロフィールは次の通りである。

司会:津田大介(ジャーナリスト/メディアアクティビスト)

ゲスト:
岩崎夏海(作家)
川上量生(株式会社ドワンゴ代表取締役会長)
夏野剛(株式会社ドワンゴ取締役)
田端信太郎(現NHNJapan執行役員/R25、BLOGOSなどの立ち上げ人)
もっさん(まぐまぐ編集部)
※五十音順

サプライズゲスト:
小飼弾(ブロガー)

巻き添え:
岡田記者(IT戦士)

今回のトークセッションのテーマは「ブログやメルマガで食える人は本当に増えるのか?」というもの。ドワンゴは4カ月前から動画や生放送も使える有料メルマガシステム「ブロマガ」を立ち上げており、現在では有料課金ユーザーが3万人まで増加しているという。また、ブロマガ以外にも世間ではまぐまぐや夜間飛行といった有料メルマガが空前のブームを迎えており、多くのネット著名人が発行していることは周知の事実である。

司会は津田大介氏

こうしたトレンドを受けて津田氏は、「昔はネットは無料が当たり前だったが、今はお金を払う人が増えた」と述べ、その上で「ではそうした有料課金コンテンツで食える人は増えるのか?」という疑問をゲストに投げかける。

これに、田端氏は「結果的には増えていくだろう」としながらも、「しかし、決してバラ色ではないし、そもそも食える食えないの定義が難しい。たとえば出版社で漫画は儲かっているが雑誌は赤字だとして、じゃあサラリーマンとして雑誌を作っている人はそれで食えていると言えるのか? ただラッキーなだけではないか」と、のっけから厳しい意見で問題提起を行った。この意見の裏にあるのは、田端氏が立ち上げたBLOGOSが現在メディアとして認知されているにも関わらず、マネタイズという点ではまだ儲かってはいないという難しい現実だ。

プラットフォーマーの立場から厳しい意見を述べる田端信太郎氏

ではそもそも、"メルマガで食えるユーザー"を生み出すためのプラットフォームは、どうあるべきなのか。

これについてブロマガを立ち上げた川上氏は、「AmazonのKindleやAppleは、ユーザーと直接つながれない。メルマガが優れているのはお客を直接囲い込んで情報を提供できるところ。今後AmazonやAppleが一般的なプラットフォームになっても、ここは解決されない」とメルマガプラットフォームの利点を挙げ、さらに「中立なプラットフォームは成功しない。日本で唯一成功しているワールドワイドなプラットフォームは任天堂だが、バリバリ色がついている」と、プラットフォームのあり方について持論を展開した。

まぐまぐ編集部のもっさん氏

これに同意するのが、「もしドラ」でヒットを飛ばした作家・岩崎氏だ。「清廉潔白に色を出さずにやっていくといっても無理が出る」と、プラットフォーム論を語った岩崎氏は、その"清廉潔白をうたいながら無理が出た企業"の実例としてはてなダイアリーやはてなブックマークで知られるはてな株式会社を挙げ、「はてなは"自由"を極端に推し進めたために、罵詈雑言を削除しますと規定でうたいながらも削除しないという運営方針になってしまった」と一刀両断した。……続きを読む