Mentor Graphicsは、リアルタイムOS(RTOS)「Mentor Embedded Nucleus」プラットフォームの最新版において、M2M(Machine-to-Machine)およびスマートエネルギー用アプリケーションを搭載したネットワーク機器の開発向けソリューションを発表した。

今回リリースされた最新版では、mDNSおよびDNS-SD(DNS Service Discovery)に新たに対応したことにより、ネットワークサーバのようなサポート通信インフラがない環境でも自動コンフィギュレーションができる組み込みネットワーク機器の開発が可能になった。

サービス検出のためのIPアドレス、デバイス名、およびネットワークブラウジングを管理する「Nucleus」のネットワークミドルウェアにより、ネットワークサーバや手作業によるコンフィギュレーションを介さず、デバイスとネットワークを自動的に接続できる。この新機能と、電力管理フレームワーク、ネットワーク/セキュリティ用ミドルウェアを組み合わせることで、小型スマートデバイスに理想的な省電力アプリケーション開発が可能になるという。

また、システムトレース機能とグラフィカルなカーネルコンフィギュレーションユーティリティが含まれており、最適化されたカーネルのビルドとメモリフットプリントの最小化が実現できるようにもなった。組み込み開発者はシステムデータを視覚化して解析し、「Nucleus」のシステムトレースを使ってデバッグならびにパフォーマンス最適化を実現できる。

さらに、グラフィカルなカーネルコンフィギュレーションユーティリティを使って、Wi-Fiネットワーク、USBネットワーク、CAN、SPI、I2Cなど必要とされるペリフェラルデバイスのみを含み最適化された「Nucleus」のコンフィギュレーションを作成することが可能になったとするほか、Nucleusのカーネルを自在に制御し、Sourcery CodeBench統合開発環境内でカーネルオブジェクトやイベントを開発者の選択に基づいてカスタム表示する機能を活かして、予想される問題エリアを監視し、ソフトウェアの特性をスピーディに把握して問題解決に役立てることができるとしている。