IDC Japan(IDC)は12月17日、国内の医療/介護保険者関連IT支出額予測を発表した。

発表によると、被用者保険(共済組合、健康保険組合、全国健康保険協会など)、国民健康保険、後期高齢者医療広域連合、レセプト審査支払機関、介護保険などを含む国内医療/介護保険者関連IT市場支出額規模(ハードウェア、ソフトウェアおよびITサービスを含む)は、2011年のIT支出額が847億円、2012年が904億円(前年比成長率6.7%増)で、2011年~2016年の年間平均成長率(CAGR : Compound Annual Growth Rate)は2.1%であり、2016年には940億円へ拡大すると予測している。

医療/介護保険者関連IT市場 IT支出額予測

短期的には、2012年4月に実施された診療報酬および介護報酬の同時改定のほか、医療保険者分野では、全国健康保険協会(協会けんぽ)業務/システム刷新、後期高齢者医療広域連合電算処理システム刷新、第2期特定健康診断/特定保健指導制度導入、介護保険者分野では、国民健康保険中央会介護保険/障害者自立支援システムの一拠点集約化など、既存システムの刷新/修正需要が市場をけん引した。

同社では、2014年以降も、診療報酬改定(2014年及び2016年)、介護報酬改定(2015年)、消費税率引き上げ(2014年及び2015年)、医療/介護分野のマイナンバー制度導入(2016年7月以降)などが見込まれており、加えて地域包括ケアシステムの導入など医療/介護連携が本格化することから、IT支出額は堅調に推移すると予測している。

また、同社 ITスペンディンググループ リサーチマネージャーの笹原英司氏は、「クラウド関連ソリューションを提供するベンダーは、各保険者のICT基盤の更新ライフサイクル管理が、健康/介護保険制度の改正/新設に伴うアプリケーション開発/更新作業のスケジュールと調和するように、『利用』のメリットを生かしたクラウドサービス利活用の提案を行うべきである」とコメントしている。