キユーピーは12月13日、卵白の摂取が筋肉での代謝を高め、内臓脂肪を減らす可能性があるという試験結果を発表した。

同成果は同社および東京慈恵会医科大学、食品総合研究所らの共同研究によるもので、詳細は12月15~16日に開催される「第10回 日本機能性食品医用学会」で発表される予定。

キユーピーでは鶏卵の栄養機能や調理特性についての研究を進めており、これまでの卵白に関する研究として、卵白が血中コレステロールの低下や内臓脂肪を低減させることや、卵白ペプチドが生体内の抗酸化力を高めることなどを確認してきた。今回の研究では、卵白の摂取により内臓脂肪が減るメカニズムの検討を目的として、2種類の試験を実施した。

1つ目は卵白を20%配合した飼料を28日間ラットに摂取させた「卵白群」と、対照としてカゼインを20%配合した飼料を摂取させた「カゼイン群」の、各群10匹による試験で、摂取開始後28日目に、内臓脂肪重量(腎周囲、精巣周囲、腸間膜)の測定を行った。その結果、卵白群では、カゼイン群と比較して内臓脂肪重量が有意に減少していることが確認されたという。

内蔵脂肪の重量。卵白の摂取により、内臓脂肪の重量が減少している

2つ目は、1つ目の試験と同じ飼料を各群8匹に14日間摂取させ、摂取開始後14日目に骨格筋重量(腓腹筋、ヒラメ筋)の測定を行ったほか、骨格筋の脂肪燃焼酵素活性の測定を行った。この結果2、卵白群では、カゼイン群と比較して骨格筋重量が有意に増加していることが確認されたほか、脂肪燃焼酵素活性は有意に高値を示すことが確認された。

骨格筋重量(左)と脂肪燃焼酵素活性(右)。卵白の摂取により、骨格筋重量が増加し、脂肪燃焼酵素活性が高まっている

なお、研究グループでは、これらの結果から、卵白を摂取することで、脂肪燃焼が主に行われる筋肉での代謝が高まり、結果として内臓脂肪が減少する可能性が示唆されたとしている。