Freescale Semiconductorは、最大1.2GHzで動作するARM Cortex-A9を最大4コア搭載統合可能なアプリケーションプロセッサ「i.MX 6シリーズ」の量産出荷を開始したことを発表した。

同シリーズとして量産出荷が開始されたのは、1コアの「i.MX 6Solo」と「i.MX 6SoloLite」、2コアの「i.MX 6Dual」と「i.MX 6DualLite」、4コアの「i.MX 6Quad」の5種類のデバイス。いずれのデバイス間でソフトウェア互換性、電力機能互換性、ピン互換性などのほか、内蔵型のマルチメディア・アクセラレータと電力管理機能、広範な特定市場向けI/Oなどによる設計の簡素化と、システム・コストならびに開発投資の削減が可能になると同社では説明している。

主な製品機能としては、3Dクラス・ビデオ・デコードに対応するデュアルストリーム1080p H.264映像処理、200MT/sのコンソールスタイル3Dグラフィックスで構成されるTriple Playグラフィックス・アーキテクチャ、UIアクセラレーションに対応する2D BLTエンジン、ベクタベース・グラフィックスに対応する2D OpenVGエンジンなどがある。ディスプレイは最大2つ(デュアルQXGA、2048×1536)または4つ(デュアルWUXGA、1920×1200+デュアルHD1080)の同時表示に対応するほか、LCDSやHDMIなどのディスプレイインタフェースに対応。また、E InkやSipix低消費電力ディスプレイ技術のサポートのほか、カメラインタフェースも搭載している。さらに、ハイ・アシュランス・ブート、暗号化エンジン、乱数発生器、改ざん検知などの先進的なセキュリティ機能も搭載しており、これらの機能を活用することで、最大24時間のHD映像再生や30日間以上のデバイス・スタンバイ時間が可能になるという。

また、同社では同製品の出荷開始に併せて、新しい「市場特化型SABRE(Smart Application Blueprint for Rapid Engineering)プラットフォーム」として、スマート・デバイス向けSABREプラットフォーム、車載インフォテイメント向けSABRE、スマート・デバイス向けSABREボードの3種類を導入し、i.MX 6を用いた開発の簡素化・加速化の促進を図っていくとしている。

i.MX 6シリーズの機能ブロック図