矢野経済研究所は12月5日、UPS市場に関する調査・分析結果を発表した。同調査は、UPSメーカおよび関連企業を対象に、2012年8月から10月にかけて実施された。調査方法は、同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、文献調査併用となっている。

それによると、2011年度のUPS市場は、東日本大震災後の電力供給不安が個人や小規模事業者の需要を引き出し、上期に小容量UPSの国内在庫がなくなるという事態が発生し、需要が急拡大した。その結果、2011年度のUPS市場規模は、前年度比8.8%増の786億4,500万円になると推計した。

2012年度は、企業の設備投資も回復傾向にあるものの、前年度の反動から小容量UPSが減少し、前年度比1.3%減の775億9,800万円と見込んでいる。

UPS市場規模推移予測(出典:矢野経済研究所)

同社は、今後のUPS市場はほぼ横這いで推移し、2015年度のUPS市場規模を773億円と予測。ここ数年で、UPSに長時間補償や使用電力ピークカットなど新機能が付加され、平行してUPSへのリチウムイオン電池の採用もいよいよ本格化し、新機能の効果と価格がユーザーの理解を得られれば、その後、UPS市場は拡大に転じると予測している。