「アロニアベリー」

ポーラ化成工業は11月19日、アントシアニンやカロテノイドなど、ポリフェノール類が豊富に含まれている北米原産のバラ科の落葉低木「アロニアベリー(学名:Aronia melanocarpa)」のヒト摂取試験を行い、アロニアベリーエキス(1日あたり生果実18g相当)を12週間摂取することで、皮下脂肪面積(腹部CTにより測定)を減少させることを確認したと発表した。

同成果の詳細は、2012年10月11~12日に開催された「第33回 日本肥満学会」にて発表された。

同社ではこれまでも、アロニアベリーの機能性に着目し、機能性食品素材としての研究を行ってきたが、今回の研究により、1日当たり、生のアロニアベリー18g相当量のエキスを12週間摂取することで皮下脂肪面積が減少することが明らかとなった。

また、同作用機序を明らかにするため、培養白色脂肪細胞中のUCP1(熱産生タンパク質)発現量の解析を行ったところ、アロニアベリーは用量依存的にUCP1の発現量を増加させることを確認(効果はアロニアベリーエキスの濃度が高いほど強く、低用量の添加ではコントロールと違いが見られなかったという)。このことからアロニアベリーはUCP1により脂肪を熱に変換する機能をもつ褐色脂肪細胞だけでなく、脂肪燃焼機能をもたない白色脂肪細胞でもUCP1の発現量を増やすことで、体内で脂肪を熱に変換しやすくし、皮下脂肪の減少を促すことが示唆されるという結論に至ったという。

培養白色脂肪細胞におけるUCP1遺伝子発現量

なお、同摂取試験は、健常な成人男女40名を対象に、プラセボ対照二重盲検法により体重、体組成への影響を検討したもので、アロニアベリー群は生のアロニアベリー18g相当のエキスを含有する粒を、プラセボ群はアロニアベリーエキスを含まない粒をそれぞれ12週間摂取。摂取前後に体重、体脂肪率、CTスキャンによる皮下脂肪および内臓脂肪面積を測定した結果、アロニアベリー群では皮下脂肪面積が摂取前に比べて有意に減少し、その減少量はプラセボ群に比較しても有意な差がみられたという。

アロニアベリー群のCT画像(代表例)

皮下脂肪面積の変化量

この結果から同社では、アロニアベリーは、多くの女性が年齢とともにつきやすく、落ちにくいと感じる皮下脂肪にアプローチし、お腹周りをすっきりさせるサポートができることが期待されるとコメント。ポーラ・オルビスグループのオルビスから、アロニアベリー配合サプリメントとして、1日あたり生果実18g相当(従来サプリメントの3倍濃縮)のアロニアベリーエキスを配合したサプリメントを2012年12月より発売する予定としている。