ワークスベスト第5弾「想いのコンチェルト」全曲紹介 Part.2

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――今回は連動企画ということで、ここではアルバムの中の6~10曲目についての解説をお願いします

■M06.「遥かな空間へ」(PSP『勇者30 SECOND』挿入歌)
作詞:なるけみちこ/造語作詞:日山尚 作曲:なるけみちこ 編曲:岩垂徳行

霜月「作詞・作曲のなるけさんは、『グリオットの眠り姫』というオリジナルファンタジーの企画でも楽曲をお願いしたりして、これまでにもいろいろなコラボをさせていただいているのですが、この曲は、なるけさん経由でお話をいただいて歌うことになりました。挿入歌なんですけど、ゲームの設定にけっこう深く絡んだ楽曲なんですよ。歌姫のクゥちゃんという子が実際に歌うというシチュエーションの曲で、フィールドではずっと歌なしの曲が流れているんですけど、最後ストーリーが盛り上がると歌が乗るという熱い演出になっています。ゲームをやった方から『これは泣けます』といったお話をたくさんいただくぐらい、ゲーム中ではとても効果的に使っていただいている楽曲なんですけど、なるけさんはそのあたりを演出するのがすごく上手い作曲家さんなので、実際すごく泣けるメロディになっています。私自身ゲーマーなので、ゲームの中ですごく良かったですと言ってもらえるのはとてもうれしいんですよ。そういう意味でもすごく印象に残っている曲ですね」

――この冒頭の歌詞は造語ですか?

霜月「造語ですね。なるけさんは曲を作るとき、歌のないインストの曲でも、すごく言葉を意識したメロディを書かれる方で、自分で歌詞は書かないけれど、こういう響きにしたいというイメージがすごく強い方なんですよ。なるけさんの中のイメージにあわせて、日山さんが造語の歌詞を書いた感じですね。ちなみに、ハミングで歌った別バージョンもあって、それはゲーム中で使われているのですが、本当にゲームのディレクターさんも熱く取り上げてくださった、思い出深い曲になっています」

■M07.「花が咲く街で」(PSP『エルクローネのアトリエ』主題歌)
作詞:日山尚 作曲:霜月はるか 編曲:MANYO

霜月「『エルクローネのアトリエ』という乙女ゲームの主題歌ですが、私自身、乙女ゲームの楽曲を描かせていただくのは初めての体験でした。『アトリエ』シリーズの流れを汲んだ、『アトリエ』っぽい楽曲にしてくださいという発注だったので、異国っぽい雰囲気、ヨーロッパの街角で流れているような雰囲気を意識しながら曲を書きました。そういった雰囲気を出したくて、生楽器をふんだんに、自分たちの手で入れようみたいなコンセプトでやっていて、自分でアコーディオンを弾いたりもしています。演奏前提で曲を書いているので、自分が演奏できる範囲になっていたり(笑)。かなり手作り感があふれる、温かい雰囲気の曲になっていると思いますし、作っているときも自分たちの手作り感覚が楽しかったのが思い出です」

■M08.「空と風の旋律」(PC『恋色空模様 after happiness and extra hearts』ED主題歌)
作詞・作曲・編曲:bassy

霜月「この曲はファンディスクのエンディングなのですが、本編のエンディングも歌わせてもらっていて、そちらは前回のアルバムに収録されています。bassyさんとのコラボで、当然ゲームのコンセプトありきの歌詞ではあるのですが、すごく爽やかで、かつ希望にあふれた雰囲気の音作りになっていて、私自身も歌っていてすごく気持ちがよく、とても気に入っている楽曲になっています。bassyさんとは割りと長いお付き合いをさせていただいているのですが、彼の持っている感性とのコラボが楽しいなと毎回思いながらご一緒させていただいています」

■M09.「水を映す者」(霜月はるかオリジナルファンタジーボーカルマキシシングル「光の雨音」収録曲)
作詞・作曲:霜月はるか 編曲:MANYO

――「水を映す者」はタイアップ曲ではなく、オリジナルファンタジーからのチョイスですが、こういうパターンもありだったんですね

霜月「ありだったんです。シングル曲なので(笑)。今回のアルバムの収録曲を見たときに、激しい民族調の曲がなかったんですよ。自分としてはそういうカラー、ボーカリストとしてもそうだし、作曲家としてもそうなんですけど、そういうカラーもあるんだということを、せっかくのアルバムなので知ってもらいたかった。今回はタイアップでもRPGの曲が多く、ファンタジックな曲も多かったのですが、民族テイストの強い曲がなかったので、こういう私の一面も知ってもらいたくて、入れさせていただきました」

■M10.「星屑」(PC『クドわふたー』ED主題歌)
作詞:城桐央 作曲・編曲:清水準一

霜月「keyさんとのお仕事で、こうやってエンディングをがっつりと歌わせていただくのは初めてだったのですが、私自身もユーザーとしてkeyさんの作品には触れてきたので、プレッシャーとまではいきませんが、大きなタイトルであるということは意識しながら歌いました。いろいろな事柄を経て、ここでいろいろな感情が溢れてくる……そんな盛り上がり感はすごくkeyさんらしいなと思ったので、盛り上げるところは盛り上げて、大事に歌うところは大事に歌う、そんな感じになっています。本当にどバラードなんですけど、バラードだからこその難しさもあったりしたのですが、エンディングで聴く人の気持ちを考えながら、歌い手として、自分の中の感情を込めながら歌いましたね。やはり大きいタイトルということもあって、聴いてくださった方もたくさんいらっしゃいますし、今回もご好意で収録させていただけることになって良かったと思っています」

(次ページへ続く)