新宿にある日本電子専門学校

日本電子専門学校(東京・新宿)は、2013年4月より、企業の総合職への就職を目指す学生を対象に、「情報ビジネスライセンス科」を新設すると発表した。新学科開設にあたっては、日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)がカリキュラム全体を共同開発するほか、授業の一部は、マイクロソフト社員が講師をつとめる。

また、入学者全員にWindows 8を搭載したタブレットPCを配布し、Office 365 for Educationを活用し、Web会議「Lync」を利用した授業も取り入れるという。

日本電子専門学校は1951年に創立した、コンピュータを使った専門技術者を育成する工業系専門学校で、現在、昼夜合わせて29の学科があり、在籍学生数は約3,000名にのぼる。

新設される「情報ビジネスライセンス科」は、時代の最先端を走るビジネスパーソンを育成する学科で、昼間の2年制。募集定員は40名の予定で、11月1日より募集を開始する。この学科では、企業が求める「コミュニケーション能力」、「主体性」、「協調性」を養うことに注力し、これらに有効なキャリア教育を重点に企業が求める人材の育成を目指す。

学科の特徴

履修する科目群としては、情報活用技術、ネットワークビジネス、キャリアデザイン、ビジネス知識、ビジネスライセンス、まとめ・総合演習、社会体験があり、マイクロソフトの社員が授業を行うのは、社会体験の中の「ネットビジネス最前線」(2単位、30時間)だ。

この授業では、ビジネスシーンでのクラウド活用術や相手を納得させられるプレゼンテーション技法、MS流電子メールの「出し方」「もらい方」などを習得する。

Web会議「Lync」を利用した模擬授業

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長 中川哲氏

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長 中川哲氏は「Windows 8とOffice 365を利用すれば、マイクロソフト社員と同じ最先端の環境で学べ、即戦力になれる」と述べた。

今回の両者の提携は、日本電子専門学校がマイクロソフトにOffice 365を取り入れた授業を行うことを相談したことから始まったという。マイクロソフトはこれまで、多くの学校と産学連携を行ってきたが、カリキュラム全体の開発に携わるのは今回が初だという。

今回、マイクロソフトにカリキュラムの共同開発を依頼した背景を、日本電子専門学校 校長 古賀稔邦氏は「グローバルビジネスパーソンのあり方や、ビジネス最前線で何が求められているかをアドバイスしてほしかった」と説明する。

日本電子専門学校 校長 古賀稔邦氏

また、古賀氏は、これまで同校がコンピュータを中心とした理系学生の育成を行ってきたが、今回文系の学生を対象する点について、「これまで、理系学生の就職をお手伝いしてきたが、学生が理系を選択するには大きな決断が必要だ。大学の文系を選択する学生の中には、なんとなく文系に進む学生もいる。現在は大卒の総合職への就職が振るわない。今後はそういった学生の就職も支援していきたい」と語った。