『ウォーキング・デッド』にゾンビ役で出演した神林あかねさん

全米ケーブルTVドラマ視聴率No.1、エミー賞2年連続メイクアップ賞受賞と、今、世界中が注目している海外ドラマ『ウォーキング・デッド』。人類のほとんどがが死滅し、"ウォーカー"と呼ばれる恐ろしいゾンビが徘徊する世界を舞台に、主人公である保安官・リック(アンドリュー・リンカーン)をはじめとする生存者たちの命がけのサバイバルを描く究極の人間ドラマである。今年3月にロサンゼルスで行われた同ドラマのゾンビオーディションでは、なんと日本人女子大生・神林あかねさん(20)が優勝し、10月からスタートする最新作のシーズン3にゾンビ役で出演することが決定した。そこで、ロケ地であるアトランタで撮影を終えたばかりの彼女に話を聞いた。

――お疲れさまでした! まずは撮影の感想からお聞かせ下さい。

あかね「もう『大変だった』のひと言に尽きますね(笑)。まさか同じシーンをあんなに何回も撮り直すとは思ってもいませんでした。ほんの数分のシーンでしたが、1回ずつ実際に演技をしてみて、監督から動きに関してのリクエストがあったり、ゾンビの動き専門の演出家やメイクアップ担当からいろいろと指導を受けたりしながら、その場で修正しつつ20回くらい撮り直しました。最後の方はかなり疲れましたが、やっぱり世界中で人気のドラマだけあって、しっかり手間と時間をかけて作っているんだなって実感しました」

――具体的にはどのような指導を受けたのですか?

あかね「監督からは他のゾンビ役の人と場所をチェンジしながら演技するようにと言われました。動きに関しては『1カ所だけを見ずに、標的を探すような動きで』『手探りをするように』といった細かい指導をされました」

"腐っている"ことにこだわったという特殊メイク

――実際にしてもらったゾンビメイクはいかがでしたか?

あかね「今回のオーディションに参加した理由の一つでもあるのですが、もともとゾンビ映画が大好きで、メイクアップにも興味があったんです。ですから、メイク中もプロの現場ではこういうものを使うのかとか、こういうふうにメイクするのか、といった新鮮な驚きの連続でした。まず最初に顔に糊を塗って皮膚みたいなものをつけ、そしてファウンデーションやスプレーで色をつけていくのですが、合計で約1時間半くらいかかりました。また、毎回、本番前にシロップみたいな甘い味の血のりを口に含んでから撮影したのが印象的でしたね(笑)。メイクアップ担当のスタッフは、『ウォーキング・デッド』のゾンビは他のゾンビ作品とは違い、血がしたたることよりも『腐っている』ことにこだわっているんだ、と言っていました。ただ、本番ではカラーコンタクトレンズを入れていたので、自分の演技を確認することは出来なかったんですよ。なのでオンエアが待ち遠しいです」

――ほかにも撮影現場の感想があればお聞かせ下さい。

あかね「まず、何もない森の奥にセットがしっかり作り込まれているのには驚きましたね。ほかにも、建物の中のカメラに映らない部分にもしっかり小道具が用意されていたり、人が長い間使用していない感じを出すためにわざわざほこりをかけたりして、徹底してリアリティーを追究しているところがすごいと思いました」

――他のゾンビ役の人たちとは何か話しましたか?

あかね「みんなカラーコンタクトレンズをしているので視界が非常に悪く、自由に動き回れなかったので、撮影待ちの間は一カ所に固まって仲良くアイスを食べてました(笑)。おかげでゾンビ同士の団結力というか、友情が深まりましたね(笑)」……続きを読む